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ふくしまの舞台
塩屋埼灯台
(いわき市)
美空ひばりの名曲よ永遠に

塩屋埼灯台

観光バスが着くたびに、「懐かしいね」「写真、写真」と歓声が飛び交う「雲雀乃苑」。かつては夏しか客が来なかったが、「みだれ髪」のヒット以降は年間を通して客足が途絶えることはない

 髪のみだれに手をやれば−と、昭和の歌姫美空ひばりが歌う「みだれ髪」を聴きながら急勾配(こうばい)の階段をおよそ100段上る。
 雲雀乃苑(ひばりのその)と名付けられたふもとでは心地よい風も灯台が建つ海抜50メートルの断がい上では強風に変わる。東の水平線は春霞で空と一体になり、南には豊間の弓状海岸、北には広野火発が見える。
 塩屋埼灯台は本紙の「福島遺産 百選」にも選ばれた絶景の地だ。高さ27メートルの灯台には右回り103段のらせん階段が切られ、3分も歩けば展望台に出る。
 日が落ちたばかりの群青の空を44万カンデラの白い光の帯が、15秒間隔で駆け抜ける。光の帯は41キロ先の海上まで届くという。
 塩屋埼を名所にしたのは、灯台長を務めた田中績(いさお)さんの妻きよさんの手記「海を守る夫とともに20年」を基に、木下恵介が監督し、1957(昭和32)年公開した映画「喜びも悲しみも幾歳月」だ。若山彰が歌う主題歌も大ヒットした。
 それから30年後。87年3月、病床のひばりの復帰第1作を作詞するため星野哲郎が塩屋埼を訪れ、10月には星野作詞、船村徹作曲の「みだれ髪」がレコーディング。これがひばり最後のシングル曲となった。
 船村と親しい豊間観光組合長の鈴木利明さんは、ひばりの訃報(ふほう)を栃木県の船村の別荘で聞いた。船村はその時「ひばりさんはいなくなっても、みんなの心の中で生きている。永遠のスターだよ」と涙をこらえてつぶやいた、と鈴木さんは振り返る。
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 塩屋埼灯台 1899年12月完成した初代は、1938年11月の本県北方沖震源の地震で破損。40年3月現灯台に建て直され、93年2月から自動化灯台。見学時間は前8時30分−後4時で、構内整備費大人200円が必要。
 ▽問い合わせ=塩屋埼灯台灯光会(電話0246・39・3924)
【 1 】 2008年4月3日 福島民友新聞社・木曜ナビ ほっと面掲載
( 文・皆川猛 写真・一ノ瀬澄雄 )  
 

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