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ふくしまの舞台
岩瀬湯本温泉・二岐温泉
(天栄村)
つげ義春が宿泊しペン握る

岩瀬湯本温泉・二岐温泉

つげ義春が泊まった旅館・湯口屋を切り盛りするのは星真紀子さん。当時、星さんは高校生で、つげの記憶はあまりないが、つげが描いたペン画を見るたびに、40年前の岩瀬湯本を思い起こすという

 掛け流しの温泉でひと風呂浴び、通りに出た。二岐山から吹き下ろす一陣の風が心地よい。共同浴場で一汗流した人に、顔見知りが声を掛ける。
 幅5メートルほどの通りに車両はほとんどない。かやぶきの家並みが続く通りは、日常の暮らしと一体となった湯治場のひなびた雰囲気を今に伝えている。
 「自慢はどこにも負けない、肌に優しいお湯しかないけど、ここがつげ義春がスケッチした温泉ですか、と訪れる人も多いんですよ」と話すのは、天栄村岩瀬湯本の築140年の旅館・分家で働く小山久美子さん。同村は行政は中通りだが、気候風土は会津、岩瀬湯本の標高は640メートルだ。
 漫画家のつげ義春は下郷から白河へ向かう途中、1967(昭和42)年10月31日と11月1日、村の2つの温泉に宿泊した。一節を「颯爽(さっそう)旅日記・抄」から抜粋する。
 《10月31日。岩瀬湯本温泉−来てよかった。今までで最高のところだ。こけむしたわらぶき屋根が隣家にくっつきそうに幾棟もひしめき合い、まるで家と家とが額を寄せ合い、ボツボツと陰うつそうな話をしているようだ。
 11月1日。湯本から歩いて二岐温泉に上る。渓谷に面して5軒の宿があり、いずれも自炊可。湯ノ小屋旅館が最も貧しそうなので泊まる。…》
 旅行を基に、つげは68年2月、漫画雑誌ガロに「二岐渓谷」を発表したほか、岩瀬湯本を描いたペン画は、山里の温泉情緒を再現したと、話題を集めた。
  >>> MAP
 岩瀬湯本温泉 羽鳥湖の西9キロ、鶴沼川沿いに位置し、泉質は含土類石こう泉。胃腸病や糖尿、創傷などに効くという。旅館は2軒。
 二岐温泉 二岐山の東ふもと、二岐川渓谷にある。泉質は単純石膏泉で、神経痛、リウマチ、痛風などに効くという。旅館は7軒。
 ▽問い合わせ=天栄村観光協会(電話0248・82・2117)。
【 2 】 2008年4月10日 福島民友新聞社・木曜ナビ ほっと面掲載
( 文・皆川猛 写真・一ノ瀬澄雄 )  
 

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