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式部の里
曲木
(石川町)
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平安の女流歌人の生誕の地
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式部堂は、曲木の住民が式部の徳をたたえて建てたと伝えられている
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平安時代の女流歌人として数々の伝説が語り継がれている和泉式部。その伝承地は全国各地に散らばり、産湯の井戸、墓などといわれる場所は点在している。
石川町には所々に和泉式部にまつわる史跡が残されている。中でも和泉式部生誕の地と言われる曲木地区は、地名に「和泉式部」という字名があるほど。ゆかりの場所もいくつか存在している。
よく知られているのは小和清水。曲木で産まれた玉世姫(のちの和泉式部)が産湯を使った清水と伝えられ、どんな干ばつでも水量が減ることはなく、里の人たちに水の恵みを与え続けている。
近くにある金子舘跡は、玉世姫の父安田兵衛国康の屋敷跡とされ、玉世姫も13歳で京に上るまでここで育ったという言い伝えがある。
玉世姫の祖父が建てたといわれる金子山光国寺には和泉式部について書かれた古文書「金子山光国寺由来縁起 附和泉式部元祖物語之事」が残され、境内には和泉式部堂が建立されている。
式部堂は、和泉式部をしのんで、地元の住民が建てたと伝えられている。4月になると式部堂で「式部様」と呼ばれる祭りが開かれる。子授けや子育てに御利益があるといわれており、地元をはじめ各地から参拝者が訪れる。
近年では、曲木地区の住民らでつくる和泉式部の里づくり実行委員会が県の補助を受け、小和清水周辺に遊歩道、あずまや、歌碑などを整備し、住民の憩いの場所になっている。
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MAP |
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式部の里曲木 石川町の北部。和泉式部にまつわる史跡が多く残っており「曲木が和泉式部の生誕の地である可能性が高い」と考える大学教授もいるという。
▽問い合わせ=石川町観光物産協会(電話0247・26・9113) |
【 20 】
2008年8月14日 福島民友新聞社・木曜ナビ
ほっと面掲載
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(
文・小野伸一郎 写真・永山能久 )
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