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三春城址
(三春町)
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伊達政宗の正室
誕生の地
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愛姫生誕の地を顕彰する城山公園の石碑。三春で愛姫の存在を今に伝える貴重な史跡だ
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三春町の中心市街地にそびえ立つ大志多山。永世年間の室町時代から江戸時代まで三春藩主の居城、三春城(舞鶴城)が築かれた。
三春城にまつわる幾多の歴史の中で、多くの人にロマンを感じさせているのが「東北の雄」伊達政宗に嫁いだ愛姫(めごひめ)。
政宗と愛姫が結婚した背景には、三春城下を治めた田村家と伊達家の深い関係がある。愛姫は1568(永禄11)年、三春城主だった田村清顕(きよあき)の一人娘として生まれた。田村家は会津の葦名家をはじめ、二本松の畠山家、須賀川の二階堂家などに囲まれ、周辺の大名と対立することが多かったという。
このため清顕は、葦名家と対立関係にあり以前から縁戚でもあった伊達家に接近、愛姫を伊達家総領となる政宗に嫁がせ、両家の関係強化を図ったとされる。
2人が結婚したのは1579(天正7)年冬。愛姫が数え年で11歳、政宗は12歳だった。若者同士で当初の夫婦仲は良好でなかったものの、愛姫は政宗の正室となり、女児1人、男児3人に恵まれた。86歳で死去したが、晩年は政宗と互いに愛情あふれる夫婦生活を送ったとされる。
戦国時代の政略結婚に身をささげた愛姫は、歴史ファンに限らず、心を引き付けてやまない。
しかし、現存する愛姫の史料は伊達家の史料として保管されているだけで乏しい。三春城跡には石垣や土塁の一部が残るほか、山の中腹に愛姫生誕の地を顕彰する小さな石碑が立つばかり。そうした背景が愛姫の神秘性を一層高めている。
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MAP |
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城山公園 三春城は明治時代に廃城後、城山公園として整備。「お城山」と呼ばれる。三春藩の歴史の面影を感じさせる場所で、春は桜の名所、夏以降は散策路として親しまれている。
▽問い合わせ=三春町歴史民俗資料館(電話0247・62・5263) |
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2008年9月11日 福島民友新聞社・木曜ナビ
ほっと面掲載
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(
文・桑田広久 写真・吉田義広 )
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