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ふくしまの舞台
大悲山大蛇物語公園
(南相馬市)
大杉や石仏群がひっそりと

大悲山大蛇物語公園

大蛇を退治した際に打ち付けたくぎ跡が残る大岩。竹がうっそうと茂る中、怪しげな雰囲気を醸し出す

 南相馬市小高区南部にある大悲山大蛇物語公園。樹齢1000年を誇る大悲山の大杉や国指定史跡の薬師堂石仏、阿弥陀堂石仏、観音堂石仏がひっそりとたたずむ。この地には1人の琵琶法師の悲しい伝説「大悲山大蛇物語」が語り継がれている。
 盲目の琵琶法師玉都(たまいち)は大悲山の薬師堂を訪れ、目を治すため願掛けをしていた。満願の晩、玉都の元へ若侍に化けた大蛇が訪れる。大蛇は毎晩琵琶を聴かせてもらったお礼にと、玉都に「住んでいる沼が狭くなったので雨を降らせ、小高郷一帯を沼にする。そのあかつきには目を治す」と告げ、他言した場合は命を奪うと話す。
 玉都は薬師堂の観音様の助言もあり、小高城の殿様に事のいきさつを話し、大蛇の体を腐らせ、魔力を失わせる鉄のくぎを大蛇の住む沼周辺の岩に打ち付けるよう伝える。玉都は城からの帰り道で大蛇に殺されてしまうが、進言によって大蛇は退治され、小高郷は救われる。
 現在も公園内には、岩に打ち付けたくぎ跡や大蛇が住んでいたといわれる沼跡などがある。また、退治した際に大蛇の角が落ちた「角部内」、耳が落ちた「耳谷」と、物語ゆかりの地名が残り、人々の思いの深さがうかがえる。
 物語は大悲山大蛇物語保存会によって各地で公演されている。また、薬師堂では4日、大悲山月明かりコンサートが開かれ、ブラスバンドの演奏や物語の朗読が行われる。幻想的な雰囲気の中、物語へ思いをはせたい。
  >>> MAP
 大悲山の石仏 薬師堂石仏、阿弥陀堂石仏、観音堂石仏からなり、平安時代の造営と伝えられる。日本三大磨崖仏と称され、1930(昭和5)年には国指定史跡に指定された。
 ▽問い合わせ=南相馬市教育委員会(電話0244(24)5284)
【 27 】 2008年10月2日 福島民友新聞社・木曜ナビ ほっと面掲載
( 文・佐藤雅英 写真・一ノ瀬澄雄 )  
 

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