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こころに残す ふくしまの風景
伊佐須美神社
(会津美里町)
東北有数の格式 四季折々の神事
伊佐須美神社
会津の名の起こりと時を同じくして誕生したといわれる伊佐須美神社。この楼門は高さが約14メートルあり、格式高い二重門となっている
 大鳥居をくぐると前方に威厳あふれる楼門(ろうもん)が見えてくる。門の向こう側には拝殿や本殿があり、大切に守るかのように、木々が取り囲んでいる。歴史と格式を誇る「伊佐須美神社」。境内に足を踏み入れると、ざわついた心も不思議と静まっていく。
 伊佐須美神社は歴史が古く、その格式は東北でも有数で岩代国一之宮・会津総鎮守と名高い。その起こりは大和朝廷のころ、会津の地名誕生までさかのぼる。北陸路のオオヒコノミコトと、その子で東海路のタケヌナカワワケノミコトが出会ったのがこの地とされ、相津(会津)の地名の由来となったといわれる。
 神社の場所は博士山、明神ケ岳に移されたあと、欽明天皇13(552)年に平地の高田へと移った。
 会津の人々は親しみを込めて「伊佐須美様」と呼ぶ。それは古い歴史や最高の社格を持ち、四季を通して数多くの神事、祭典があり、文化的・精神的な支柱と位置付けられている証拠だ。大勢の多彩な行事の中心は、伊佐須美神社となっている。
 神社外苑・あやめ苑では10万株のアヤメが咲き競うなか、毎年6月15日から、「あやめ祭り」が約20日間にわたって開かれる。7月12日には日本3田植えのひとつ「御田植祭り」が開かれ、豊作を願って早乙女踊りなどを奉納する。また、神門を入った内庭には会津五桜の第一に数えられる「薄墨桜」がある。創建以来の神木とされ、花びらは浅紅で、淡墨を含んで咲き、花の香りが気高いことから名前がついた。
 観光客数はあやめ祭りには10万人以上。年間では、100万人以上の観光客が訪れる。県道下郷・会津本郷線が開通したこともあり、これまで以上に広域的に観光誘客が図ることができると各自治体では機体を寄せている。その核となるのが伊佐須美神社である。
 轡田勝暎(くつわだ・かつあき)宮司は「大勢の人々に訪れてもらい、大変うれしい。神社の規模を最盛期に近づけられるようにしたい」と夢を抱いている。 
 >>> 行ってみよう
 磐越道の会津若松ICから車で約20分、宝物殿には国重要文化財「朱塗金銅装神興(しゅうるしこんどうそうしんよ)」などを展示。無料案内を希望する場合は予約した方がよい。祈とうや正式参拝も同様。神社社務所(電話0242・54・5050)。
<11> 2003.06.13
 

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