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こころに残す ふくしまの風景
大州海岸
(相馬市)
海と空に挟まれ白い砂浜が7キロ
大洲海岸
晴天時には空と太平洋の青さに白い砂浜が映える大州海岸。海岸線沿いに延びる道路をドライブすれば、車窓から海と松川浦の景観が一緒に楽しめる
 日本百景の1つ県立自然公園松川浦の潟湖(せきこ)と、太平洋を約7キロにわたって仕切る大洲海岸。
 万葉集にも詠まれた松川浦は、6月12日に文化庁から文化的景観重要地域として全国180カ所の1つに選定されたばかり。松川浦の一部の大洲海岸は、「白砂青松」の景観をそのまま持ち、1996(平成8)年には全国各地の海辺や湖沼の渚で、環境保全や美しい景観を持つ場所として、いわき市の薄磯海岸とともに「日本の渚・100選」に選ばれた。
 原釜尾浜海水浴場から松川浦大橋を渡り、鵜の尾岬トンネルをくぐると開けた視界の先には左に太平洋、右に松川浦が姿を現す。これからの季節、海岸線に沿って真っすぐに延びた道路をドライブすると、太平洋と空の青さに挟まれた白い砂浜の眺めが楽しめる。
 大洲海岸は長い歴史の中で、その姿を少しずつ変えてきた。かつては、浦内から太平洋に出る水路は鵜の尾岬近くの大洲海岸にあった。飛鳥湊(みなと)と呼ばれ、1906(明治39)年ごろまで漁師たちの生活を支えていた。しかし、外海に開けた浦口は打ち寄せる波に運ばれた砂が堆積(たいせき)し、漁船の航行に支障をきたした。1908年から4年間をかけ、漁民らが現在の浦口となる松川浦新口の開削工事を行い、飛鳥湊もその使命を終えた。
 その後、海岸沿いは防波堤が整備され、平成になるまで磯部地区から国有林の中を車1台がやっと通れる林道を通って行くしかなく、訪れる人は少なかった。しかし、92年に県が原釜地区と磯部地区の漁港をつなぐ松川浦漁港関連道事業に着手。浦口に約520メートルの松川浦大橋を架け、鵜の尾岬下に約141メートルのトンネルを通すともに海岸線に沿って約5.2キロの道路を整備し、94年に完成した。
 晴天の休日ともなると市内外から、家族連れやカップルなど大勢の観光客が訪れる人気の観光スポットに変ぼうした。もうすぐ相馬にも暑い夏が訪れ、今年も大洲海岸は大勢の人々に夏の思い出を作ってくれる。
 >>> 行ってみよう
 JR常磐線の相馬駅下車、タクシーで約15分。福島交通バスは、同駅近くの営業所から松川浦原釜循環線で「船越」下車、徒歩で松川浦大橋を渡り約20分。原釜尾浜海水浴場からも徒歩約20分。車の場合、国道6号の塚ノ町交差点から県道相馬亘理線で約6キロ。
<14> 2003.07.04
 

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