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こころに残す ふくしまの風景
「みだれ髪」歌碑
(いわき市)
ひばりの復帰作 名曲のふるさと
「みだれ髪」歌碑
塩屋埼灯台のたもとにある「雲雀乃苑」の「みだれ髪」歌碑。昭和歌謡界の女王美空ひばりさんを慕い、全国からファンが訪れる
 いわき市観光のシンボル・塩屋埼灯台のたもとに立つ「みだれ髪」歌碑。昭和歌謡界の女王美空ひばりさんは1987(昭和62)年10月、病後の復帰第一作として「みだれ髪」「塩屋埼」をレコーディング、発売当初から全国に響き渡り、現在でも名曲として歌い継がれている。
 作詞家星野哲郎さん、作曲家船村徹さんの作品。星野さんは、慢性肝炎を患ったひばりさんが一日も早く回復することを願ってこの年の3月、塩屋埼灯台に立ち「いわき七浜」の風景を詞にした。曲をつけるに際して船村さんは「無理をしないでいきましょう」とひばりさんに気遣ったところ、ひばりさんは「今まで通りの船村メロディーで」と強く要望した。
 「それならば」と船村さんは、従来の曲より半音高い音を使って作曲した。ひばりさん最後のシングルレコードだった。
 約1年で10万校以上の売り上げを記録、いわきの観光宣伝と知名度アップにも大きく貢献した。これを記念して地元の薄磯、豊間両観光組合は120の法人、個人の協賛を得て翌88年10月、歌碑を建てた。いわき桜みかげ石の碑には、星野さん直筆の「みだれ髪」3番の歌詞、船村さん直筆の楽譜が記されている。
 ひばりさんは89年6月24日、52歳で亡くなったが、歌碑を訪れるファンがさらに増えていたことから同市観光協会は同年7月、歌碑のわきに「ひばり遺影碑」を建てた。歌碑と遺影碑が一対になった現地は「雲雀乃苑」と愛称されている。
 さらに昨年5月には、永遠に歌い続けるひばりさんの姿を残そうと、「雲妻雀乃苑」から北に約200メートルの海岸沿いに「永遠のひばり像」が建てられた。
 年間約63万人が訪れる「雲雀乃苑」の前で、親子2代にわたって土産・磯料理店を営んでいる鈴木一好さん(50)は、「いわき一の観光地になり、大変感謝しています。ひばりさんを慕い、お忍びで訪れる歌手もいるんですよ」
 29日は、ひばりさんの誕生日。今年も多くのファンが「雲雀乃苑」に集りそうだ。
 >>> 行ってみよう
 JRいわき駅から車で20分。常磐交通の路線バスは、いわき江名経由小名浜線・灯台入り口停留所下車、徒歩20分。常磐道いわき湯本ICから車で30分。
<8> 2003.05.23
 

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