【いわき】福島県初「水素ステーション」開所 専門スタッフが充填

 
ステーション開所を祝いテープカットをする関係者

 県内で初めてとなる商用定置式の水素供給施設「いわき鹿島水素ステーション」が5日、いわき市鹿島町に開所した。

 開所式には、ステーションの整備を契機にトヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」を購入した民間事業者や行政関係者ら約110人が出席。官民が一丸となった福島モデルで、水素社会の実現を目指す決意を新たにした。

 式に並んだミライは、いわき商工会議所の働き掛けに賛同した市内企業や個人が所有する22台と、福島トヨタ自動車の1台、県庁の1台の計24台。ミライに囲まれながら関係者がテープカットを行った後、吉野正芳前復興相と、常磐共同火力(小泉俊彰社長)が所有するミライへの水素充填(じゅうてん)式が行われた。

 公用車としてミライを導入した小泉社長は「当面は水素の需要が少ないので、地元の協力が重要。さまざまなビジネスシーンでミライを活用し、盛り上げていきたい」と語った。

 運送業のほか、再生エネルギー事業も手掛ける磐栄運送の村田裕之社長は「再生エネで作った電気で水素を生み出す事業にも挑戦してみたい。同じ市内の企業の先進的な取り組みは刺激になる」と将来を展望した。

 ミライの開発に携わったトヨタ自動車のチーフエンジニア田中義和氏は「同様のイベントに出席しているが、これほどの台数のミライが、しかも民間の力で並ぶのは初めて。水素がより身近になり、日本や福島の明るい未来につながればうれしい」と願った。

 「1年後にはFCバス」

 開所式の後に開かれた直会でいわき市の清水敏男市長は、水素を燃料とするバス(FCバス)の導入の見通しについて「1年後にはFCバスが市内を走るのではないか」と話した。

 市は、市民や事業者が燃料電池車(FCV)やFCバスを導入する際の補助事業を新年度予算案に計上している。

 清水市長は、市議会で予算案が通ればと前置きした上で、FCVやFCバスの普及拡大を後押しする考えを示した。

 FCバス1台の1年間の水素消費量は、FCV45台分とされ、民間事業者による路線バスの導入が実現すれば、水素の安定的な消費や、市民の理解促進につながると期待される。

 いわき鹿島水素ステーションは、いわき市鹿島町のガソリンスタンド「鹿島サービスステーション」内に併設された。水素を1キロ1300円(税込み)で販売。水素充填時間は約3分で、専門の資格を持ったスタッフが対応。一例として、ミライの場合は4・6キロの水素を充填することができ、走行距離は約650キロという。7日にはミライのレンタカー事業を開始する。

 水素ステーションの営業は当面、平日の午前9時~午後5時。問い合わせは同スタンド(電話0246・46・1708)へ。