残雪に映える木々の緑 日本百名山「安達太良山」山開きに3000人

 

 日本百名山の一つ、安達太良山(1700メートル)で15日に行われた山開きでは、約3千人の登山者が、例年よりも多い残雪が木々の緑に映える景色を楽しみながら山頂を目指した。山頂での安全祈願祭が3年ぶりに行われ、夏山シーズンの到来を祝う万歳が「ほんとの空」に響いた。


220517tozan701.jpg大パノラマを背に山頂を目指す登山者



 登山者の安全祈願 3年ぶり山頂で

 3年ぶりとなる山頂での安全祈願祭では、二本松市・塩沢神社の滝本和栄宮司による神事が行われた。山開きを主催する安達太良連盟会長の三保恵一市長、参加者代表の斎藤裕二同市役所山岳会長らが登山者の安全を祈り、玉串をささげた。

 三保市長が「登山者の皆さんが安全・安心に登山を楽しめるよう努める」とあいさつした。  祈願祭の参列者は同連盟会員らに制限されたが、多くの登山者が見守り、同連盟副会長の二瓶明子岳温泉観光協会長の発声で参列者と共に万歳三唱した。


220517tozan702.jpg3年ぶりに山頂で、登山者の無事故を祈った安全祈願祭



 記念ペナント3000枚配布

 山開きに参加した登山者に贈られる記念ペナントは新型コロナウイルスの感染防止を踏まえ、配布場所を3年連続で山頂から七つの登山口に変えて計3千枚が配布された。

 このうち二本松市の奥岳登山口では、1500枚が用意され、地元の二本松市職員や岳温泉観光協会のスタッフらが山頂に向かう登山者に手渡した。今年のペナントは青を基調に、山開きの山頂の写真と、安達太良山を詠んだ万葉歌などがデザインされた。



220517tozan703.jpg山頂に向かう登山者に記念ペナントを配る職員ら=二本松市・奥岳登山口

 二本松署、交通安全を啓発

 二本松署は「ほんとの空から交通安全」と称して山頂で交通事故防止の啓発活動を実施した。安達太良山には遠方からも登山を楽しむ人が多く、広く交通安全を呼びかけるために初めて企画。西間木淳署長らが登山者に夜光反射材付きのホイッスルを配布した。併せて「なりすまし詐欺」の発生情報などを配信する「POLICEメールふくしま」の登録もPRした。

 また陸上自衛隊福島駐屯地は奥岳登山口で自衛隊の活動に理解を深めてもらうために、陸自のマスコットキャラクター「タクマくん」と「ユウちゃん」をデザインした缶バッジを配った。



220517tozan705.jpg登頂した登山者に交通安全を呼びかける二本松署員(左)



 二本松LC、環境活動

  二本松ライオンズクラブは、安達太良山の美しい環境を守ろうと、二本松市の奥岳登山口で登山者一人一人にごみ袋を配った。

  1972(昭和47)年から継続している恒例の活動。新型コロナウイルス感染症の拡大で実施を見送り、3年ぶりに実施した。三浦章一、安斎文彦両副会長ら約20人が早朝から登山者にごみ袋を手渡し「ごみは必ず持ち帰ってください」とマナーアップを呼びかけた。



220517tozan706.jpg登山者にごみ袋を配った会員