須賀川・高土山、23年度に山開き 震災後初、住民が登山道整備

 
登山道の安全確保のため草刈りなどを行った遊水会のメンバー

 須賀川市長沼地区の高土山(標高729メートル)で来年度、東日本大震災発生に伴い中止されていた山開きが行われる。山開き行事の開催は2010年以来13年ぶり。今月18日には、山でウオーキングイベントも予定されており、地元の関係者らが12日、以前のように多くの人に登ってもらおうと登山道の整備作業に当たった。

 高土山は「うつくしま百名山」の一つで、地元住民によると、頂上から須賀川、郡山両市などの街並みが一望できるという。震災前は長沼公民館などが山開きの行事を行っていたが、登山道の入り口がある農業用ダム「藤沼湖」周辺が震災で損壊した影響で開催を見送ってきた。

 地元の関係者は、藤沼湖周辺の再建・修復が完了したことを受けて、山開きを再開させようと登山道の再整備に着手。登山道は国有林内にあるため、国から許可を得て整備作業を行った。

 この日は、長沼地区で環境調査などを行う団体「遊水会」のメンバーと長沼公民館の職員が作業した。同会の八木沼義信会長(82)は「長沼の住民にとって宝のように大切な山。登りやすい山なので、山開きをしたら多くの人に登ってもらいたい」と話した。

 18日のウオーキングイベントは、藤沼湖自然公園で開かれる「奇跡のあじさい 感謝コンサート」の関連イベントとして開かれる。参加無料。問い合わせは事務局の長沼公民館(電話0248・67・2474)へ。