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会田則夫さん |
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◆環境整備に力注ぐ |
夏井川を挟む夏井、南田原井両地区では、住民が「自分たちの手で地区の桜を守っていこう」と率先してボランティアを務める。地区住民でつくる夏井千本桜祭実行委員会が中心となり、千本桜の手入れや保護、環境整備活動、花見客のもてなしに力を注いでいる。
委員長で夏井行政区長の会田則夫さん(70)は「地区住民がまとまり、先輩が築いた素晴らしい桜並木を受け継いでいきたい」と意気込みを新たにする。 |
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夏井川沿いの両岸各2.5キロにわたり連なるソメイヨシノの桜並木「夏井の千本桜」 |
■磐越道小野ICから車で南東へ車で約10分、JR夏井駅から徒歩約5分 |
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阿武隈高地中央の小野町を流れる夏井川。両岸にそれぞれ2.5キロにわたりソメイヨシノの桜並木が連なる。
誕生のきっかけは1971(昭和46)年に始まった国の河川改修事業。夏井川に堤防が造成されたことに合わせて地元の夏井、南田原井両地区の住民有志が75年4月、桜の苗木を植樹した。その一本一本に「郷土を美しい桜の里にしたい」「桜の花が咲き誇るきれいな水辺にしたい」との願いが込められた。
川沿いを中心にJR夏井駅前、地区の神社周辺などに植えられたソメイヨシノは千本以上。その後も30年以上、地区を挙げた温かい支援活動で守り続けられており、本県を代表する桜並木に成長した。満開時には、咲き誇るピンク色の花で川辺が埋め尽くされるほどになる。
河川敷には遊歩道が設けられ、開花シーズンは思い思いに桜をめでながら散歩を楽しむ花見客でにぎわう。県内外から多くの観光客を迎え入れるため、周辺の駐車場の整備も進んできた。
絶景スポットは磐越道下り線。ほんの一瞬ながら桜並木を一望することができ、その眺めは見る人の感動を誘う。夜間は堤防がライトアップされ、川面に映える夜桜が幻想的な光景を演出する。
遅咲きの桜で例年、県内を桜前線が通過した4月下旬に見ごろを迎える。のどかな田園風景に桜色の回廊がお目見えすると、間もなく終わりを告げようとする春の残り香を感じることができる。 |
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