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本多昌雄さん |
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◆「町の財産」守る |
協業組合福島県南環境衛生センターの理事長本多昌雄さん(68)は、町観光協会が展開する「つつじ募金」の先駆者。会社ぐるみで取り組み、3年連続で10万6971円を寄付した。
「ここの山つつじは先人の思いが詰まった癒やしの場。町の財産として守っていかなければ」と、ツツジ再生に対する思いは強い。昨年、山を真っ赤に染めた山ツツジを眺め「町民の思いが通じた」と話し、今年も心に残る光景を期待する。 |
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全国でも珍しい急傾斜地に群生する風呂山公園の山ツツジ(昨年5月) |
■JR水郡線磐城塙駅から南へ徒歩10分。道の駅はなわから徒歩5分 |
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4月下旬から5月上旬にかけて塙町の中心部に真っ赤な三角形を浮かび上がらせる。急傾斜地に2メートル近い大木のツツジが並ぶ全国でも珍しい群生地。
山を埋め尽くす山ツツジは、日露戦争終戦後の混乱期だった1912(大正元)年9月15日に塙青年会が「明るい話題を」と植樹したのが始まり。3333株あると言われてきたが、2006年の町観光協会の調査で2917株と判明した。
「風呂山」の由来は「風呂寺という寺があった」「家の風呂から山ツツジを眺めることができた」などいくつかのいわれがあり、長い年月を経て今も地域にロマンを与え、親しまれ続けている。
一方、20年ほど前から花の咲かないツツジも目立つようになり、同協会は3年前からツツジ再生に向けた本格的な対策に取り組んでいる。土壌調査や地元愛好会の協力によるツツジの手入れ、丸太階段設置など周辺環境整備を進めているが、取り組みは町民に呼び掛けた「ツツジ募金」によって成り立っている。
募金には、昨年度末までに92件、約241万2500円が寄せられた。今年も5月末までの期間限定で善意を呼び掛けている。
昨年は二十数年ぶりに多くの花を付け、大勢の観光客でにぎわった。再生をきっかけに町民の心が一つになり、先人の思いが詰まった「癒やしの山」を誇り、次の世代に引き継ぐ「町の財産」として守り続けられている。 |
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