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【2008.04.24】
土湯男沼・女沼(福島市)//湖面に高原の自然映す//
阿部展也さん
◆豊かな植生も魅力
  男沼、女沼の美しい自然環境は、地元の土湯温泉観光協会の委託を受けたNPO法人県もりの案内人の会が管理する。
 案内人は、二つの湖をはじめ近くにある仁井田沼を巡る散策路の安全確認を欠かさない。ミズバショウなど周辺に生息する花に関する情報も集めて、同協会に報告。同協会はホームページで公開している。案内人の阿部展也さん(35)は「美しい水面だけでなく豊かな植生も男沼、女沼の魅力の一つ」と話す。
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火山活動によってできた男沼と女沼。新緑、紅葉の季節は大勢の観光客が訪れる ■JR福島駅から西へ車で20分の土湯温泉街から北西へ徒歩40分

  男沼と女沼は西暦800年の吾妻連峰の火山活動によってできたとされる高原の二つの湖。男沼から仁田沼を経て女沼まで続くルートは遊歩道が整備され、新緑や紅葉の季節になると、美しい自然を一目見ようと県内外から大勢の観光客らが詰め掛ける。
 海抜約644メートル、全周約1.5キロの男沼は自然林の中にひっそりとたたずむ。わき水を満々とたたえ、澄み切った湖面は、栂(つが)の森山をはじめ周囲の山々を鮮やかに映し出すなど幻想的な美しさを有する。
 男沼には淡水魚にまつわる伝説が残されている。最高深度9.8メートルの湖底には、火災で住みかを追われ、美しい娘に化けて二本松市(旧安達郡油井村)から移り住んだ古魚が住んでいるとされる。
 女沼は海抜532メートルに位置し、最高深度は8.7メートル。森の中にある男沼とは対照的に明るい印象を与える。全周約2キロで、男沼より一回り大きく湖の北岸には砂浜がある。女沼から流れ出した水と、女沼の近くを流れる塩の川の豊かな水量を使って発電所が整備されている。
 女沼は「雨ごいの沼」としても有名。太子堂を建設するための材木を運んでいた雌牛が誤って湖に転落、そのまま主になったとされる。雌牛が行者に飼われていたことから、行者が祈とうすると必ず雨が降ると伝えられている。
 また女沼の周辺からは縄文時代の土器が発見されており、有史前に人が住んでいたといわれる。
 

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