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【2008.04.25】
稚児田楽風流(いわき市)//神事と民俗芸能が一体//
小松正男さん
地域一丸で保存へ
  稚児田楽をはじめとする一連の儀式は、氏子ら地域住民が世話役として、その運営や準備などを支えている。氏子総代の1人で、祭礼時には儀式全般の円滑な進行管理に当たる小松正男さん(74)は「鎮座して1200年の歴史があるこの熊野神社を誇りに思う」と語る。
 祭礼を担う青少年の減少などの問題もあるが、小松さんは「伝統あるこの神社と祭礼を後世に伝える責務がある」と、地域一丸となり保存に取り組む気概を示す。
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神事と民俗芸能が一体となった祭礼とされる稚児田楽風流 ■JR常磐線植田駅から徒歩約25分、常磐道勿来ICから東へ車で約10分

  国指定重要無形民俗文化財「御宝殿熊野神社稚児田楽風流」は例年8月1日、いわき市錦町の同神社例大祭で奉納される。地域の子どもたちが扮(ふん)する田楽童子の田楽演奏などが古式ゆかしく行われ、神事と民俗芸能が一体となった貴重な祭礼と位置付けられる。
 田楽は田植えから収穫までが舞踏化されており、地域の児童8人からなる田楽童子が「ざらっこ」と呼ばれる古典楽器を鳴らしながら田楽を披露するという内容で、豊年の願いを込める意味を持つ。
 一連の祭礼を構成する各儀式も興味深い内容。祭礼は7月31日の宵祭から始まる習わしで、この日は勿来海岸で行われる「勅使の潔斎」や「丑の刻参拝」などの儀式が続く。
 翌8月1日の本祭では、まず五穀豊穣(ほうじょう)を願って氏子たちが、同神社の参道に鉾(ほこ)を競って立てる「鉾立の神事」が繰り広げられ、続いて稚児田楽に移る。
 この後、参道の一角に設けられた櫓(やぐら)の上で豊年の祈願と感謝をする「風流獅子舞」の儀式に移り、シカや龍に扮した氏子らが衆目の中、舞を奉納する。
 稚児田楽は5種類の演目で構成され、子どもたちが数メートル四方の祭壇に立ち、四方に向きを変える「総めぐり」などを披露する。一連の動作は田植えから収穫に至る農耕神事を儀礼化したもので、稚児による田楽は全国的にも珍しいといわれている。
 

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