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◇健    康    <2006.06.15>
あなたは大丈夫?生活習慣病 高血圧にならないために

減量、減塩で低下へ

 腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上の場合、メタボリック・シンドロームの可能性があることを以前に書きましたが、メタボリック・シンドロームでは血圧が高値となります。

 これは、肥満のためにインスリンが血糖値を制御する作用を発揮できなくなるため、血液中にインスリンが高値となります。この高インスリン血症は、塩分の再吸収に働き、さらに血管の平滑筋を増殖させ血圧を上昇させてしまいます。このため内臓に脂肪が溜まった内臓肥満であるメタボリック・シンドロームでは血圧が高くなります。

 食事・運動にて体重が減り腹囲が減りますと血圧も正常になります。減量だけの効果で、血圧は15mmHg低下することも報告されています。

 高まる脳卒中の危険性

 九州の久山町などの研究により血圧が高い程、脳卒中の危険性が高くなることが報告されています。このため、日本高血圧学会では高齢者では140/90mmHg未満、若年・中年者では130/85mmHg未満にするようにガイドラインで示されています。

 自宅での血圧測定も重要です。安静にして座った状態で血圧を三回測定し記録します。上腕での測定が正確です。血圧が130/85mmHg以下なら良いのですが、それ以上の場合には病院での血圧管理が望まれます。

 肥満のために高血圧となる方の他に、塩分の摂りすぎにて高血圧になる方がいます。高血圧症の家族がいる方は塩分を減らすことが大切です。減塩にて血圧は5mmHg低下します。食塩の摂取量を1日6g以下にすることが大切です。
 また、野菜に含まれるカリウムは血圧を低下させてくれます。定期的な30分の歩行運動は、血圧を平均11mmHg低下することが報告されています。運動にて肥満が是正されると減量の効果と運動による血圧低下が重なり血圧は20mmHg程度低下することが予想されます。 
 
(県医師会会員・清野弘明医師)
 

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