minyu-net

連載 ホーム 県内ニュース スポーツ 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 販売申込  
 
 >>> けいざい散歩TOP
 大河ドラマの経済効果 
 
  関東圏からの誘客必要

 先日、日銀福島支店はNHKの大河ドラマ「八重の桜」の放映がもたらす経済効果の試算結果と、汚れて流通に適さなくなったお札の裁断くずで制作した、新島八重の肖像画を公表した。いずれも支店HPで閲覧可能なほか、肖像画の実物は支店見学でも鑑賞できる。ぜひご覧いただきたい。
 前者の試算結果は113億円。最近の県内主要観光地への入り込み状況から、本年の観光客数見通しを推計。その数字を基礎に、過去の大河ドラマと同程度の誘客効果(プラス4.8%)を仮定した場合の直接的な売り上げの増加と波及効果を計算した。県民1人当たりに引き直すと5675円。決して小さくない数字だ。
 ただし、はじいた経済効果の数字は、原発事故の影響が色濃く残る直近の客数を基礎としたもの。また、ドラマの誘客効果は過去数年の平均値を利用している。経済効果は発射台が低いだけに今後の観光PRの在り方次第で上積みが期待できるし、誘客効果はドラマの「当たり方」次第の面もある(過去の実績ではドラマの視聴率が上がれば、集客効果も拡大する傾向が見られる)。
 単なる消費地の付け替えにとどまらぬ真の消費拡大効果が見込める県外宿泊客の誘致がポイントで、ウエートの高い関東圏からの観光の復活に向け、一層のPRに取り組む必要がある。


けいざい散歩


2012年7月23日付
福島民友新聞に掲載

 

 

福島民友新聞社
〒960-8648 福島県福島市柳町4の29

個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c)  THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN