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商品価値
商品棚に所狭しと並ぶ天然水(ミネラルウオーター)=福島市森合のコープふくしまいずみ店
ふくしま発 水のあした
第5部 恵みの源【2】
2010年12月12日付
商品価値

人気高い県産天然水 健康ブーム消費後押し
 「水はよく売れる。昔では考えられなかった」。生活協同組合コープふくしま店舗事業部の前山進さん(58)は、商品としての天然水(ミネラルウオーター)の購買力に驚く。福島市森合の同コープいずみ店では、国内産21種類、国外産6種類の天然水が販売されており、消費者の人気を集める。健康ブームなどを追い風に、県内のスーパーやコンビニでは、天然水は安定した売れ行きを維持している。
 県内の道の駅や農産物直売所などでも各地の天然水が販売されている。「尾瀬の自然水」(桧枝岐村)や「相馬のお清水」(相馬市)、「冷湖の霊泉」(昭和村)など、各地域それぞれの自慢の特産品として人気を集める。
 相馬市は今年2月、「相馬のお清水」の2リットル詰めペットボトル2本を市内全戸に配布した。歴代の相馬中村藩主が茶の湯に用いたとされる「中野清水」と呼ばれる宇多川の伏流水を使っている。同市企画政策課の担当者は「防災飲料水としての活用が目的だが、市民にPRする狙いもある」と話す。
 県内の天然水の中には世界的な評価を受ける「銘柄」もある。「あぶくまの天然水」(田村市)は、世界的権威のある食品品評会「モンド・セレクション」で2004(平成16)年以降、6年連続で最高金賞を受賞。あぶくま洞・入水鍾乳洞があるカルスト台地の石灰岩層を、長い年月をかけて浸透した地下水で、同市が運営する滝根農産物等加工場で生産している。地下28メートルからくみ上げられた水は、加熱殺菌処理された後、ペットボトルに詰め込まれ、県内外に出荷されている。
 09年度の年間販売量は23万5千リットル。同市滝根観光振興公社の木村直さん(55)は「カルシウムが少ない軟水で飲みやすい。販売量を伸ばしたい」と話す。
 県は本年度から、県産の天然水を全国にPRする「清らかな”水のふるさと”ふくしま発信事業」を展開、県内外の本県関連イベント会場に試飲コーナーを設け、県産天然水の魅力を紹介している。
 県土地・水調整課長の鈴木克昌さん(57)は「世界に誇れる水環境を持つ源流県・ふくしまの魅力を伝えたい」と意気込む。本県の豊富な水資源が、商品として新たな価値を付けて地域の産業振興や活性化に結びつこうとしている。
 


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