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福島遺産百選
南湖公園(白河市)
【 29 】
「士民共楽」定信の理念、今も

自然美備えた日本最古の公園

市民憩いの場

市民憩いの場

那須連峰を望む南湖。湖面に周辺の山々が映り込み、美しい光景をつくり出す。定信の「士民共楽」の理念の下、現在も市民らの憩いの場となっている(写真提供・白河市)

 白河藩主・松平定信(楽翁公)によって1801(享和元)年に建築された「南湖公園」。日本最古の公園ともいわれ、身分の違いを超えて誰もが楽しむことができる「士民共楽」の理念に基づいている。1924(大正13)年には自然美が評価され、国の史跡、名勝に指定された。
 元は「大沼」と呼ばれていた湿地帯に堤を造って水をためた人造湖。「南湖」という名称は唐の詩人・李白が詠んだ漢詩「南湖秋水夜無煙」からの引用と、定信の居城だった小峰城の南に位置することから名付けられたと伝えられている。公園内には22年に建築された定信をまつる南湖神社や日本庭園「翠楽苑」などが並ぶ。
 市民憩いの場であり、行楽シーズンともなれば、たくさんの観光客が訪れていた。
 東日本大震災では、神社の大鳥居が倒壊するなどの被害が発生したが、現在では修復が進み、西方の那須連峰やサクラ、カエデなどの木々が四季折々の美しい姿を見せている。
 (白河観光物産協会(電)0248・22・1147)


 豊穣な大地へ、人々の生活支えた南湖
 中目 公英(なかのめ・こうえい)さん/南湖神社宮司
 南湖神社宮司として、そして県自然保護指導員として月に1、2度、自然保護のため、南湖周辺を巡回しています。
 南湖周辺は元々は湿地帯を埋め立てた土地で、あまり地盤が強くありません。東日本大震災では、旧白河地区でもっとも揺れが強かった地域で、近くのアパートは損壊しています。放射能の影響もまだ収束せず、震災直後と比べると、来客数は徐々に戻りつつありますが、以前の水準には回復していません。
 元来、この周辺は水が少なく、南湖が建築される以前はソバしか作ることができませんでした。水を引き、南湖を造ったことで、周辺地区に水田が拓(ひら)かれ、数百年の間、豊饒(ほうじょう)な土地として人々の生活を支えてきました。豊かな土地は同時に、人々の心のよりどころとして親しまれるようになりました。
 現在の美しい姿を保ち、元のにぎわいを取り戻すには長い時間が必要となります。行政と一体となり、腰を据えた取り組みが求められています。

四季の景観美

四季の景観美

樹齢約200年の「楽翁桜」。南湖周辺にはサクラ、カエデなどの木々も植栽され、四季折々に美しい(写真提供・白河市)

ふくしま復興支援
 福島民友新聞社は、ふくしま復興支援プロジェクトの一環として、2012(平成24)年10月から13年5月まで、「ふる里の誇り ふたたび 福島遺産 百選 未来への歩み」を連載しました。
 「福島遺産 百選」は、県内それぞれの地域で「ふる里の誇り」として守り継がれてきた有形無形の宝を後世に残していこうと、福島民友新聞社が07年に県内外に呼びかけ、選定しました。
 しかし、計120件のうち31件の遺産が東日本大震災で被災しました。本プロジェクトは、あらためて地域の素晴らしい宝を再認識することで県民一人一人の誇りを取り戻し、「心の復興」につなげていくことを目的としたものです。

2013年4月23日付・福島民友新聞掲載
 
ふくしまが誇る美しい自然、歴史、文化
地域の宝を復興の力に
震災に耐えて
 東日本大震災に耐え、被害を免れた福島遺産もあります。これらは地域で県民に勇気と希望を与え続けています。

白河だるま(白河市)

白河だるま(白河市)

 まゆは鶴、ひげは亀、耳ひげは松と梅、あごひげは竹を表す。福々しい「鶴亀松竹梅だるま」として全国に知られる縁起物で、毎年2月11日に開かれる伝統の白河だるま市には大勢の観光客が訪れる。(佐川だるま製造所(電)0248・23・4239、渡辺だるま製造所(電)0248・23・3978)


今出川・北須川の桜(石川町)

今出川・北須川の桜(石川町)

 昭和20年代に町役場の有志がソメイヨシノを植栽したことが始まり。現在ではシダレザクラなど約千本が両川岸約3キロにわたり咲き誇る。植樹や保全には多くの行政区や団体、個人が貢献し、地域一丸となって川岸の桜を盛り上げている。(石川町地域づくり推進課(電)0247・26・9111)

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