新妻さん、親子で目指す「前回超え」 サンシャインマラソン

 
練習で準備体操を行う亮さん(右)と大和さん。本番に向けて状態を上げてきている

 いわき市で25日に開かれる日本陸連公認のフルマラソン大会「いわきサンシャインマラソン」まで、1週間となった。42・195キロのフルマラソン、2、5、10キロ、2キロ親子の5種目に6300人超がエントリー。15回の節目の開催となる今回も、順位を競うアスリートのほか、県内外から市民ランナーが幅広く出場する。

 友人の誘いがきっかけ

 「走るたびに喜びが増えている」。今回が6回目の出場となるいわき市の団体職員新妻亮さん(48)は、そう話す。約10年前の初出場からしばらくは1人で出場していたが、前回から親子で大会にエントリー。大会と共に、ランナー人生を歩んできた。

 大会に参加したのは、友人の誘いがきっかけだった。それまでは運動の習慣もなかったが、「完走する達成感が気持ち良かった」と走る楽しさを実感。その後も継続的に大会に出場したことで、走る習慣が自然と身に付いたという。近年はジムにも通っており「おかげでほかの40代よりは体力があるかな」と笑う。

 前回は小学生の三男大和さん(8)と2キロ親子に出場。新たな走る喜びが増えた。以来、亮さんの仕事が終わった夕方の時間を利用し、週2~3日の練習を行うのが習慣になっている。今回も2人で出場する予定だ。

 練習を通じて成長していく大和さんを間近に見て「(大和さんは)つらい練習でも諦めなくなった」と感じている亮さん。「地元にマラソン大会があって、親子で出られる種目があって良かった」と話す。

 前回は9分21秒で種目の10位。今回は9分を切ることが2人の目標だ。昨年末から練習の頻度を上げ、本番に向けて状態を上げてきている。「練習を目いっぱいしてきたから、結果が楽しみ。前回の記録は超えたいな」と語る亮さんに、大和さんは力強く返事をした。「うん、自信あるよ」

 実行委、救護態勢強化へ

 いわきサンシャインマラソンで、実行委員会が救護態勢の強化を図っている。消防職員や救護ボランティアを増員し、配置を見直したほか、ランナーに本人以外の緊急連絡先の提出を義務付けた。

 昨年2月の前回大会でフルマラソンに参加したランナー1人が亡くなったことを受け、市は大会翌月から医師会と対応を協議。看護師協会や薬剤師会などを交えた医療安全委員会を設け、会議を重ねてきた。

 いわき市消防本部や医療創生大の協力で、ボランティアなどを前回から約20人増員。自動体外式除細動器(AED)を装備した消防職員やボランティアでつくるチームの配備エリアを約2キロごとに細分化し、ランナーの異常発生時に即座に駆け付けられる態勢にした。ボランティアの事前訓練も実施しており、市の担当者は「命を守る態勢を大きく強化できた」としている。