三菱UFJ銀行の男性行員が取引先の株式公開買い付け(TOB)に関する未公表情報を親族に漏らし、インサイダー取引に関わった疑いがあるとして、金融商品取引法違反の疑いで強制調査した証券取引等監視委員会が、東京地検特捜部への告発を断念したことが5日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、男性行員は監視委の事情聴取に「利益を得させる目的で伝えたことはない」などと説明。親族は未公表情報を基に株取引で利益を得たとされたが、別の親族を介して情報を「また聞き」したとして、同法の規制対象外の2次受領者に当たると判断された。調査の結果、告発に足る十分な証拠がそろわなかったという。