ストロンチウム、多くは排出

 

 原発事故以降、水産物に対する放射性物質の調査が週1回程度、継続的に行われています。

 水産物の放射性セシウムの基準値は、他の農作物などと同様に100ベクレル/キロと設定されています。これは、基準に到達した食品を1年間毎日食べ続けたとしても、放射性セシウムに加えて、それ以外の放射性物質(ストロンチウムやプルトニウムなど)による内部被ばくが、年間の合計で1ミリシーベルトを超えないようにつくられています。

 農作物と同様、水産物でも最も気にしなければならない放射性物質はセシウムであることに変わりありません。

 ストロンチウムは骨にたまりやすく、小魚などへの影響を気にする方もおられます。しかし、魚への放射性物質の濃縮度(=海水の放射性物質濃度と生物中の放射性物質濃度の比較)では、放射性セシウムの方がストロンチウムに比べても濃縮しやすいことが分かっています。これは、ストロンチウムが体内に入っても、その多くが吸収されずにそのまま排出されるためです。