声掛け合い健康気遣って

 

 先般の台風および大雨に関連した被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。東日本大震災の経験から健康の面で災害後の対応についていくつか気を付けるべきことがあります。

 東日本大震災から数年後、浜通りのいくらかの地域では、乳がんの患者さんが震災前と比べて、より病状が進んでから病院を受診される傾向にあることが分かっています。病状が進むと、手術が行いづらいといった治療の選択肢が狭まる可能性があります。

 例えば朝起きたとき、家族が体調悪いといって寝込んでいたら、声掛けをしたり、病院まで連れて行ったりとされると思います。自身で受診される方ももちろんおられますが、声掛けがあればより確実です。

 乳がんの例では、たとえ胸にしこりがあることに気付いたとしても、全員がすぐに相談したり、検査を受けたりされるわけではありません。実際に周辺からの声掛けがなかった方は、より病状が進んでから受診される傾向にありました。

 私たちは災害の直接的な影響を中心に考えがちですが、生活の変化による間接的な影響はさまざまで長期にわたります。これは原発事故だけではなく水害でも同じです。それに対抗する方法の一つは近しい人の健康を気遣い、声を掛け合うこと。ありきたりですが、健康維持に大切なことの一つです。