内部と外部を併せて検査

 

 「がん」に対する放射線治療と同じように、病院で行う放射線検査にも、「外部被ばく」と「内部被ばく」に対応する方法がありました。レントゲンやコンピューター断層撮影(CT)による画像の検査は「外部被ばく」であるのに対して、「内部被ばく」に相当する検査の一つがPET検査でした。

 ブドウ糖に放射性物質をくっつけた「くすり」を体内に投与し、そのブドウ糖ががん細胞に取り込まれやすい性質を利用して、がん細胞の位置や大きさを調べる検査でした。この「くすり」は半減期が約2時間と短いため、多くの場合、その病院の中で作られて、検査に使われます。

 実際にこの検査では、「くすり」の投与に加えて、CTによる画像の検査を追加で行い、身体のどこに「くすり」が多く取り込まれているかを細かく確認します。そのため、一度の検査で「くすり」の内部被ばくによって3・4ミリシーベルトほど、CTによる外部被ばくで10ミリシーベルト前後の放射線を受けることになります。これは私たちが自然の放射線から数年間で浴びる放射線の量と同等です。

 放射線を浴びることによる健康への影響はその量の問題です。レントゲンやCT、PETをはじめ、医療で使われる放射線の量を細かく知る必要はありませんが、その桁感を知っていただければと思っています。