日本の医療、放射線量多い

 

 私たちの周りにはさまざまな天然の放射性物質が存在し、そこからある程度の量の放射線を私たちは日常的に受けています。

 放射線の量は場所ごと国ごとによって異なり、内部被ばくと外部被ばくの合計で自然界から日本国内の私たちが受ける放射線の量は、年間で2.1ミリシーベルトと世界平均の2.4ミリシーベルトよりもやや少ない傾向にあります。

 その一方、日本での医療上の診断や治療で受ける放射線の量は、世界的に多いことが知られています。放射線検査によって放射線を受ける量は個人によって差が大きいですが、平均すると日本では年間約3.9ミリシーベルトと、日本で自然界から受ける放射線の量の約2倍、医療上の放射線の量だけで見ても世界平均の6倍以上あることが知られています。特に全身を輪切りにする画像検査であるCTによる放射線が占める割合が多いです。

 もちろん医療上の放射線は、診断や治療のために必要な場合にのみ使われるものですが、放射線の量が多くなり過ぎないように、少ない量の放射線で正確な診断や治療ができるようさまざまな取り組みがなされています。

 今年も1年間お世話になりました。新型コロナウイルス感染症で落ち着かない日々が続いておりますが、健康のバランスを取り、どうぞお大事にお過ごしください。