核の外でエックス線発生

 

 全ての物質(原子)は「陽子・中性子・電子」の粒が集まってできています。中心に陽子と中性子が固まった原子核があり、その周りを電子が回ります。陽子や中性子のバランスが悪いとその物質は不安定となり、これを放射性物質と呼びました。

 アルファ線、ベータ線は原子核のバランスが悪く、陽子・中性子・電子が外に吐き出されるもの、ガンマ線は原子核にたまったエネルギーが外に放出されるものでした。アルファ、ベータ、ガンマの三つともに「原子核から」放出されるものになります。

 その一方、病院では、エックス線という言葉を聞くと思います。エックス線も放射線の一つなのですが、これは原子核の「外側」にたまったエネルギーが放出されるものを指します。ガンマ線と発生する場所が違うのです。ただ、エネルギーが放出されたものということで、ガンマ線とエックス線の性質は同じです。

 原子核の外側にあるエネルギーがエックス線となるので、そこに原子核が不安定な放射性物質は必要ありません。そのため、病院のエックス線装置には放射性物質は「含まれません」。電気の力でエックス線を作り出しています。