生活変わり肥満割合増加

 

 災害の影響はその災害が起こった直後だけにとどまりません。災害後も環境が変わり、私たちの生活もさまざまに変わってしまうため、それに伴う健康への影響を受けてしまいます。原発事故後も同様に、放射線被ばくに伴う直接的な影響にとどまらず、生活環境が変化するためにさまざまな間接的・二次的な健康影響が問題となりました。

 その中で最たるものの一つが、生活習慣病、特に糖尿病です。県民健康調査の結果からも、40歳以上の成人・高齢者で、震災後の2011年から19年にかけて、糖尿病に近い状態になっている方、およびすでに糖尿病の方の割合は、持続して上昇傾向(つまり増えている)ことが分かっています。

 生活習慣病にはそのほかにも肥満や高血圧、コレステロールの上昇などがあります。県民健康調査の結果から、血圧の値は、震災直後の11年に比べて、40歳以上の男女ともに下がっていました。その一方、肥満者の割合は、女性よりも男性で高く、ここ数年緩やかながら、40歳以上の男女ともに上昇傾向、つまり増えています。これらは、心筋梗塞や脳梗塞の可能性を高めてしまいますので、今後もしっかり注意しないといけません。

 このような大人の状況に対し、子どもの肥満については、震災後悪化しましたが、その後、全体として改善していることも分かっています。