放射線量、偏りない値確認

 

 県民健康調査の一つである「基本調査」では、事故後4カ月間の居場所の記録(行動記録)を問診票に記入いただき、その時間のその場所の空間の放射線量の情報とを組み合わせ、4カ月間の外部被ばくがどの程度であったかが調べられてきました。前回ご紹介した通り、この調査で計算された放射線の量は発がんなどの病気のリスクを危惧するレベルではありませんでした。

 その一方、どのような調査もそうですが、対象となられた方の全員が参加されるわけではありません。基本調査では、200万人以上の全県民を対象としていることもあり、回答率は2015年夏の時点で3割弱でした。

 そのため、この調査で計算された放射線の値が、地域全体の値を本当に示しているのか? という懸念がありました。つまり、同じ地域でも回答していない方は、回答している方よりも線量が高いのではないか、という懸念です。

 これを確認するため、追加の調査が行われました。これまで未回答であった方に戸別に訪問し、これまで回答されていた方の値と大きく差がないかを確かめるのです。

 その結果、これまで報告されていた値と、新しく得られた値には大きな差がありませんでした。つまり、これまで分かっている放射線の値は、大きな偏りのない値であったということが確認されています。