適切な屋内退避、議論続く

 

 今回の原発事故をきっかけに、防災対策の範囲だけではなく、災害発生時の避難の方法についても変更がなされました。大きなものの一つは、「屋内退避」を重要視している点です。

 屋内退避は結局のところ、自分の家にとどまることを指します。遠くに逃げないので、避難していないと思われるかもしれませんが、そうではありません。難を避けることが避難であり、災害が起こっても、そこにとどまることが安全であるなら、その場所から動かないことを避難と呼ぶのでした。

 ただ屋内退避を重要視はしているものの、有事の際、どのタイミングで、どのくらいの期間、屋内退避を行うべきなのかについては、まだまだ課題があります。

 この屋内退避は、原発事故によって放射性物質が飛んでくるような場合、家の中にとどまり、室内に放射性物質が入ってくるのを避け、放射線をたくさん浴びるのを避けることを主な目的としています。プルームが飛んできた際の内部被ばくの軽減が主たる目的です。

 そのため、放射性物質が飛んでくるかもしれないタイミングに合わせて屋内退避する必要がありますし、いつ飛んでくるか分からないからといって、家の中にずっと閉じこもって何週間も全く外出しないというわけにもいきません。

 事故は起こってはいけませんが、前もってどの程度まで決めておくべきか、どのような方法がベストなのか議論が続いています。