廃炉のごみ5種類に分類

 

 今回事故を起こした福島第1原発だけでなく、日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。

 廃止措置は、事業者が廃止措置計画を作り、それが審査された後、国の原子力規制委員会で認可されてから開始されます。一般的に廃炉は〈1〉解体の準備(約7年)〈2〉周辺設備の解体(約12年)〈3〉原子炉等の解体(約7年)〈4〉建屋等の解体(約4年)の四つのプロセスからなり、トータルで約30年をかけて行われます。


 今回はこの廃炉に伴って生じるごみ、廃棄物に焦点を当ててお話ししたいと思います。

 原発の廃止措置に伴って、放射能レベルの比較的高いものから、放射能レベルの極めて低いもの、そして放射性廃棄物ではない一般の廃棄物までさまざまな廃棄物が生じます。

 廃炉を廃棄物の観点から見ると、放射性廃棄物が本格的に発生するのは、上述の第2段階および第3段階です。特に、第2段階では、原子炉の周辺の設備を解体するため、濃度が低い放射性廃棄物や一般廃棄物が多く発生し、第3段階では原子炉領域の設備を解体するため、比較的濃度が高い放射性廃棄物が発生します。

 このように、廃止措置に伴って生じる廃棄物はその過程でさまざまありますが、放射性物質の含まれる程度によって、それらは5種類に分類されます。そして、そのレベルに応じて、後の処分方法も異なっていきます。