円滑な廃炉へ廃棄物分類

 

 今回事故を起こした福島第1原発だけでなく、日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。廃炉に伴って生じるごみ、廃棄物は、放射性物質の含まれる程度によって、5種類に分類されます。その中で、原発の廃止措置に伴って生じる廃棄物の大半の93%は、一般のビルを解体する時と同じ、コンクリートや鋼材のような放射性廃棄物ではない(放射性物質の含まれない)一般の廃棄物でした。

 そうすると、残りの4種類の約7%が放射性物質の存在を考慮しなければならないものとなりますが、その7%の全てが低レベル放射性廃棄物として扱われるわけではありません。

 実は、残りの7%のうちの、約7割から8割は、含まれる放射性物質が非常にわずかで、身体への影響を十分に無視できるものであることが知られています。そのようなものについては、放射性物質が一定のレベル以下であることが確認されれば、放射性廃棄物から除外され、普通の廃棄物として処分したり、資源として再利用したりすることができるようになります。

 このような制度のことをクリアランス制度と呼び、放射性廃棄物から除外されたものをクリアランス物と呼びます。資源の有効利用や、廃棄物の減容化、廃炉の円滑化を目指して作られた制度です。