大倉社長コラム〈44〉WALK TO THE DREAM ラグビーW杯

 

 ◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆結果を問わず認め合う

 ラグビーワールドカップ(W杯)が盛り上がっている。サモア代表がいわき市で事前合宿した縁もあり、楽しく観戦している。

 4年前のW杯で強豪の南アフリカに勝ち、一躍注目を浴びた日本代表。インタビューに応える選手たちに驚いた。同じくプロとして注目を浴びるサッカー選手よりもしっかりした受け答えができている。日本ラグビーはプロリーグの開設も最近で、選手の多くは企業で働いてきたはず。社会人としてのしっかりした資質を持っているのだろう。

 また、ラグビーはどんなに激しい試合でも、終わった後は笑顔でたたえ合うスポーツ。究極までに鍛え上げた肉体で、ある意味命がけで戦うことがあの世界観を作るのかも知れない。

 日本戦以外の試合も盛り上がっている。見上げるような大男たちが肉体をぶつけ合う異空間。結果を潔く認め合うスポーツマンシップ。ラグビーというスポーツが持つこれらの資質が人の心を打つからだろう。

 サッカー界も、ラグビーから学ぶべきものは多いはずだ。もともと「フットボール」としての起源は一緒。少なくとも、試合終了後に審判に文句を付けるようなことはしないようにするべきだ(笑)。

 ラグビー選手の体つきを見ていると、いわきFCが行ってきた肉体強化は間違っていなかったと実感できる。元ラグビー日本代表でアンダーアーマー契約プロの山田章仁選手などに聞くと、代表チームは尋常ではない時間を掛けてトレーニングしているという。ベーシックな部分の強化という点で参考になる。

 主将を先頭に肩に手を掛けての入場や、ハーフタイムに全力疾走でベンチに戻るなど、一体感を醸成するやり方なども参考に出来る。決勝トーナメントも興味深く見ていきたい。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。50歳。