田村監督コラム〈1〉WALK TO THE DREAM フォーメーション

 

 ◆いわきFC・田村雄三監督

 ◆こだわらず選手自由に

 今季のJFLが開幕した。ここまで3勝2分けだが、J3昇格という、選手たちの今年に懸ける強い思いが結果につながっており、いい入りができた。開幕が100%のチームではないので試合をしながら課題を修正し、年間を通じてチーム力を上げていきたい。

 いい流れで第4節も戦いたかったという思いもあったが、コロナ禍なのでこればかりは仕方がない。むしろ選手の疲れがたまり、精神的にも張り詰めた状態を回復できたと前向きに捉えることができた。

 昨季は失点の8割が、相手のクロス、セットプレーからという明確な数字が表れた。それを受けて、セットプレーの守備を修正したことで開幕からここまで組織的に失点を防ぐことができている。

 フォーメーションは、選手の組み合わせや選手の強さ、課題を踏まえて変更した。MF日高、嵯峨をサイドバックに4枚とした。新加入のMF宮本は、前チームでも中盤の守備的なポジションを務めており、アンカーで起用している。

 攻撃面は、昨季はワントップにFW鈴木を置いたが、彼の持ち味を生かすためFWをツートップにした。ボールの引き出しなどがスムーズになることを期待している。中盤は前に力を発揮するFW平岡やMF金らに加え、MF山口が入れば変化が生まれ、また違ったいわきFCを見せることができる。日高と嵯峨は第3節まで守備的な部分が多かったが、2人が本来の動きができれば、さらに攻撃に厚みや深さが出るだろう。

 チームとして最低限の決めごとがあるものの、選手のやりやすさが優先で、フォーメーションにはこだわらない。自由に動き回る選手たちがどんな動きをするのか、試合のたびに新たな発見があることを楽しみにしている。

 たむら・ゆうぞう 群馬県出身、中央大卒。2005年に湘南ベルマーレ入団。現役時代のポジションはMF。08年からは選手会長を務めた。10年に引退後、湘南ベルマーレ強化部スタッフを経て15年、いわきFC強化部入り、17年から監督。38歳。