大倉社長コラム〈71〉WALK TO THE DREAM 敗戦で見えた課題
◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長
◆勝敗分けたプレー精度
JFLの戦いも残り10試合となった。これまでの戦いぶりを振り返ると、昨季の反省を生かして勝ち点を積み上げることができた。今季の目標達成に向けて満足できる結果だ。しかし、前節はホンダFCさんを相手に5失点を喫した。
これはクラブの哲学である「魂の息吹くフットボール」を貫いた上での結果だった。一方で相手はわれわれを研究しており、選手起用や戦い方などを変えてきた。ホンダFCさんは普段、60~70パーセント近いボール支配率をキープしているが、今回はほぼ五分五分。むしろ、いわきFCのほうが高かったぐらいだ。
試合後に相手関係者と話したが、前半だけでこれだけ消耗した選手を見たことがないと言っていた。それだけ集中して試合に臨んだのだろう。これまでホンダFCさんとはJFLで3試合戦っているが、今回は相手の精度の高いプレーだったり、ピッチ上で選手が修正できるという経験が勝敗を分けたように思う。
サッカーだから時にはこういう結果もある。それでも選手はひるまず前から当たり続けた。お互いのプレーの質は高かったと思う。
そのようなぎりぎりの戦いの中ではもっと精度を高めないと、さらに細部にこだわらないとやられてしまうのだということを相手から教えられた。
倒れない、最後まで諦めない、90分間走り続けるというクラブが目指すべきフットボールにもっと磨きを掛ける。優勝を手繰り寄せる時にこそ、この哲学が意味を持つだろう。今回の敗戦はチームの課題が見えたこともあり、むしろすがすがしいと感じた。
次の試合へ気持ちを切り替え、もう一度チームの哲学に向き合い集中して臨みたい。そして哲学を貫いてリーグ優勝をつかみ取りたい、との思いを強くした。
おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。52歳。
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