田村GMコラム〈13〉WALK TO THE DREAM 鹿児島キャンプ

 

 ◆いわきFC・田村雄三GM

 ◆肌で感じた「Jの本質」

 1月にゼネラルマネージャーに就任した。これまではスポーツディレクターとして現場からチームを見てきたが、これからは現場だけでなくフロント業務も見ていかなければならない。今季のリーグ戦が始まると、試合の運営などでさまざまな問題が出てくるだろう。その都度、どのように問題を解消していくか考えていきたい。

 1月29日から6日間の日程で、鹿児島県でキャンプを行った。昨年は千葉県で4日間のミニキャンプを実施したが、Jリーグチームらしい本格的なキャンプは今年が初めてだ。期間中は選手やスタッフが寝食を共にして結束力を高め、コミュニケーションを取るという点において、キャンプを張る意味があった。

 キャンプ初日の鹿屋体大(鹿児島県)のほか、J2ジュビロ磐田と練習試合を行った。これまで練習試合ではあまり負けたことがなかったが、今回はどちらのチームにも負けた。特に磐田は技術も戦術もレベルが高く、いわきの選手は「これがJリーグだ」と、J1経験チームの技術やスピード感を肌で感じたはずだ。

 今シーズンの開幕を目前に控え、選手には「ホームのいわきグリーンフィールドで、無事に開幕を迎えられることを当たり前だと思わないでほしい」と伝えた。急ピッチで改修工事を進めてくれた行政をはじめ、いわきFCに寄り添ってくれた方々のおかげで開幕戦のピッチに立てる。感謝の気持ちを胸に、しっかりとプレーすることが大事だ。

 選手は初挑戦となるJ2の舞台に、緊張の色を見せず、開幕戦を楽しみに待っている。経験のないことばかりだが、楽しんでプレーできれば良い。新スローガン「RELENTLESS(リレントレス) 容赦なく、挑み続けろ」の下、臆することなく戦ってほしい。