田村GMコラム〈15〉WALK TO THE DREAM 連戦と連敗

 

いわきFC・田村雄三GM 研究され厳しい戦いに

 9日間でリーグ戦3試合を消化する連戦に突入し、コンディションの調整など難しい点がいろいろと出てきていると思う。ただ、連戦はほかのチームも同じ条件で言い訳にしかならない。

 連戦は「慣れ」が重要になってくる。選手時代にはJ2は年間約50試合あり、月に1、2回必ず連戦があった。練習の時間も取れずに、過密な日程が続いた。そうなるとコンディション勝負になってくる。いかに疲労を回復させ、エネルギーを蓄えられる食事をし、自分にあった睡眠時間を取れるのかを分析していかなければならない。

 自分のルーティーンを見つけ、連戦の戦いに慣れていけば試合に合わせて体の状態を整えていける。そうなれば連戦にも対応できる。クラブとしても選手のためにもっとやるべきことがあったのかを振り返って確かめたい。

 連戦となり今季初の連敗となったが、連戦と連敗は関係ないと見ている。敗因の一つには、対いわきFCへの研究が徹底されていることが挙げられる。連敗となった第8節の大分トリニータ戦(●1―3)と第9節のツエーゲン金沢戦(●0―3)は、相手がいわきへの対策をしてきた結果が出た試合だった。

 昔から連敗しないチームが強いと言われているが、シーズンを戦えば連敗をすることもある。連敗した時に大切なのはチームがばらばらにならないことだ。選手たちは負けが続けば、不満やストレスを抱え、ネット環境の発達から嫌でもいろいろな話が入ってくる時代になった。だからこそ気持ちを切り替えてチーム、クラブとして同じ方向を向いて戦って、壁を乗り越えていかなければならない。

 まだまだシーズンは長い。連敗を強調せず、目の前の一試合一試合を全力で戦うことに没頭してほしい。

 たむら・ゆうぞう 群馬県出身、中央大卒。2005年に湘南ベルマーレ入団。現役時代のポジションはMF。08年から選手会長を務めた。10年に引退後、湘南ベルマーレ強化部を経て15年にいわきFC強化部入り、17~21年に監督を務めた。40歳。