田村監督コラム〈17〉WALK TO THE DREAM 監督交代

 

◆いわきFC・田村雄三監督

◆戦いの原点見つめ直す

 J2第20節モンテディオ山形戦後、14日付で監督交代を行った。シーズン途中での別れとなったが、村主(すぐり)博正前監督への感謝の気持ちが変わることはない。Jリーグ初挑戦のクラブに来てくれ、チームをJ3優勝へ導いてくれた。クラブの功労者だ。ぐりさん(村主前監督)の意思を継ぎ、しっかりと残り半分の試合を戦っていきたい。

 1―9で大敗した清水エスパルス戦や、清水戦を含めた5連敗など...。一般的に言えば監督交代のタイミングはこうした試合にあったと言えるかもしれない。しかし今回の決断は、順位や敗戦の数といった「結果」ではなく、戦いの「内容」を見て下した。

 「魂の息吹くフットボール」「90分間止まらない倒れない」「フィジカルスタンダードを変える」...。もう一度原点に立ち返っていわきのサッカーを見つめ直したい―。この一心で再び監督職を引き受けた。2021年までの5シーズン、監督としてチームづくりに携わった身として、責任があると考えた。

 まずはミスを恐れずチャレンジできるチームにしたい。積極的にボールを奪いに行き、人数をかけて相手ゴールへ迫る。1点取られたら2点取れば良い。そういう姿勢が、私の考える「いわきらしさ」だ。

 初陣となった前節のジェフユナイテッド千葉戦は0―0の引き分け。選手には勇気を持って前向きにボールを持ったり、味方を追い越すプレーを求めていた。短い調整期間にもかかわらずよく戦ってくれたと思う。

 ただ守備の時間が長かったこと、それにより前へのパワーが足りず、シュートで終われなかったことは今後の改善点となった。サポーターには温かく迎えてもらい、ありがたい。温かさに甘んじることなく、現状に向き合って戦っていきたい。

 たむら・ゆうぞう 群馬県出身、中央大卒。2005年に湘南ベルマーレ入団。現役時代のポジションはMF。08年から選手会長を務めた。10年に引退後、湘南強化部を経て15年にいわきFC強化部入り。17~21年に監督を務め、今季途中から再び指揮を執る。40歳。