田村監督コラム〈19〉WALK TO THE DREAM 月間優秀監督賞

 

 ◆いわきFC・田村雄三監督

 ◆「現状打開」良い方向に

 7月の月間優秀監督賞を受賞した。みんなが頑張って取った賞だと思っている。チームに関わっている皆さんに感謝したい。7月の6試合は3勝2分け1敗で勝ち点11。難しい状況の中プラスの方向に働き、勝ち点を積み上げることができた。

 監督交代を機に、「現状を打開しないといけない」という選手たちの熱量が良い方向に向いた。監督が変わることは選手たちにとってストレスがかかること。しかし、自分たちが何をやらなければならないのかを改めて考える時間にもなった。

 もう一度原点に立ち返っていわきのサッカーを見つめ直した。積極的にボールを奪いに行き、人数をかけて相手ゴールへ迫る。1点取られたら2点取れば良い。私の考える「いわきらしさ」を取り戻した。

 4―3で大逆転勝利を決めた第25節水戸戦や2―1で制した第27節大分戦、第28節磐田戦など相手が格上であっても対等に戦えている。特に磐田戦は0―1で敗戦したものの、自分たちのサッカーを体現できた。個人の技量の差はあるが、その差を補えば勝てない相手ではない。

 対戦相手に応じて、ポイントとなる選手への対策を行うことが求められている。そのため試合途中でフォーメーションを変えることもある。また、選手が変われば特徴も変わり、できることとできないことが出てくる。それでも選手同士がつながりを大切にし、現状をしっかりと理解してやってくれている。

 賞を獲得したことに満足せず、一試合でも多く勝ち点を積み上げることが最も重要だ。ありがたいことに観客数も伸びてきている。期待に応えられるようなサッカーをやって、サポーターの皆さんに勝利を届けられるようこれからも精進していきたい。

 たむら・ゆうぞう 群馬県出身、中央大卒。2005年に湘南ベルマーレ入団。現役時代のポジションはMF。08年から選手会長を務めた。10年に引退後、湘南強化部を経て15年にいわきFC強化部入り。17~21年に監督を務め、今季途中から再び指揮を執る。40歳。