大倉社長コラム〈92〉WALK TO THE DREAM ISAA新方針

 

◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

◆地域スポーツの裾野広げたい

 小学生以下を対象にした育成プログラム「いわきスポーツアスレチックアカデミー(ISAA)」が本年度から、新しい方針を掲げてスタートしている。活動の方針は三つ。「する」「見る」「支える」だ。

 ISAAの大きな役目は一つのライフスタイルとしてスポーツを楽しむ、そのきっかけをつくること。サッカーや野球、ゴルフなどの種目を通じて体がさまざまな刺激を受け、運動能力を上げてほしい。スポーツ以外の世界の道に進んだとしても、体を動かすベースを身に付けてもらう。スポーツクラブができる社会貢献の一つとして、2017年からこれまでに多くの受講生が集まった。

 今も根本的な考え方は変わらない。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で受講生が減ったことを受け、事業のモデルを見直すことにした。活動拠点の集中や会費制度を新たに設けるなどの「選択と集中」を行わせてもらった。併せてプログラムの内容も見直した。新しいのは方針に「見る」と「支える」が加わったことだ。いわきFCのホームゲームを「見る」こと、そのホームゲームをエスコートキッズとして「支える」ことなどを通じて、スポーツと関わる新しい機会を提供していく。プロスポーツが当たり前に身近にあることで、受講生の持つ世界観も変わってくると考えている。

 過去には県スポーツ協会の「ふくしまスポーツキッズ発掘事業」の選抜制度でISAAの受講生が高い身体能力を評価されたことがある。また、受講生のお母さん方からも「運動会の駆けっこで1位になった」や「ISAAをきっかけに、中学から運動系の部活を始めた」などのうれしい声が寄せられており、成果を感じている。これからも地域の未来を担う世代にスポーツの裾野を広げていきたい。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。54歳。