【いわきFC・J2初年度の激闘】ホーム戦、常に満員へ...対策強化
いわきFCは今季、ホーム戦の平均入場者が3491人となった。昨季比だと約1・6倍の伸びで、クラブを応援する機運の高まりを印象づけた。ただ、チケットが完売しても満員にならないなどの課題も見つかった。入場者のさらなる増加に向け、対策を進めている。
「実際にやってみないと分からないことばかりだった」。クラブを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長(54)はこう話し、J2初年度で出た課題は改善していく考えだ。
目標としたホーム戦の平均入場者3500人をほぼ達成した今季。チケット完売でも満員にならない試合が2試合あり、来場できる人にチケットが渡らなかったり、全席自由席だったため試合前から順番待ちの長い列ができるなどの課題が明らかになった。
いわきFCを応援する40代男性サポーターは「早朝からスタジアム前に並ぶ人もいる。特に夏場は危ないと感じた」と話す。これらの課題を受け、クラブ側は来季から、チケットを譲渡できる「リセール機能」と指定席を導入し、さらなる入場者の増加を目指す。
多くの試合で発生した通信障害も大きな問題だった。ハワイアンズスタジアムいわきを管理する市によると、フリーWi―Fiを設置するかどうかを検討している段階で、整備するとしても来年度以降になる見通しだ。
5000人超えは2回
ホーム戦の入場者が増え出したのは夏場。戦績が上向いた時期と重なるように膨らんだ。収容人数5048人に迫る5千人超えは2度。7月の磐田戦で初めて超えると、今月4日のホーム最終戦で最多の5044人を記録した。
対戦クラブサポーターも地域を盛り上げた。J1を経験したクラブを中心に千人規模で来場した。いわき市平のパブ「CHEKA(チェカ)」では今季、試合前日や当日はアウェーサポーターで一杯になったという。
来季は試合運営面で磨きをかける年になる。大倉社長は「来季はさらなるバージョンアップを目指したい」と力を込める。
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