山下、体の使い方意識 いわきFC鹿児島キャンプ

 
秋本コーチと走りのフォームを確認する山下(左)=鹿児島県立サッカー・ラグビー場

 誰よりも長く練習に打ち込む貪欲な姿勢は今季も健在だ。サッカーJ2いわきFCのMF山下優人は3日の練習で2本の直接FKを決め、存在感を示した。

 鹿児島キャンプの間、全体練習後に秋本真吾スプリントコーチと走りのフォームを確認する姿が何度も見られた。「短い時間でも毎日取り組んでみようと思っている」。このほかにもピラティスを始めるなど、今年はより一層自身の体と向き合っている。

 こうした取り組みの背景には、山下の問題意識がある。「これまで筋トレをガシガシとやってきたが、それで本当に体をうまく使えているのか、と思った」。クラブも山下と同じ考えを持っており、肉体強化の方法の改良に向けて検討を続けている。

 昨季は本職であるボランチ以外での出場も多かった山下だが、キャンプ中の練習ではボランチに入ることがほとんど。ポジションのこだわりはないというが、「攻守両面に関われるところは大きい」と本職にやりがいを感じているようだ。

 チームはこの日、キャンプ最終日の4日に予定されているJ2山口との練習試合に向けて、セットプレーやスローインなどの連係を確認した。今季のいわきは、今まで以上にボールを細かくつなぐ攻撃にも力を注いでいる。技術的なハードルは高くなるが、山下は「新しい気づきがあったり、価値観が広がるチャンスだと思う。だから楽しみ」と前向きにとらえた。(小磯佑輔)