新戦力MF西川、攻撃にアクセント いわきFC鹿児島キャンプ終了

 
敵陣深く攻め上がる西川(右)=鹿児島県立サッカー・ラグビー場

 サッカーJ2いわきFCは鹿児島キャンプ最終日の4日、J2山口と練習試合を行った。35分間を4本行い、結果は4―2。J1セレッソ大阪から新加入したMF西川潤がキャンプで初となる実戦に臨み、「ボールの感触を確かめながら、攻守に関わることができた」とうなずいた。

 スタメン候補の選手が多く名を連ねた前半の70分間が0―0、後半の70分間が4―2だった。布陣は「3・4・3」を基本に、後半には「3・5・2」も試した。チームは前半、山口のハイプレスに苦戦。だが徐々に修正し、高い位置でボールを奪って相手の背後を突く回数を増やした。後半は一転してボールを保持する時間が増え、細かい崩しや両サイドのスピードを生かした速攻など、多彩な攻撃で4得点を重ねた。失点はいずれもCKからだった。

 西川は2本目の途中から出場し、3本目の途中までの約40分間プレー。トップ下でボールを受けると、緩急をつけたドリブルやフリックパスなど巧みなボールさばきで攻撃にアクセントを加えた。

 西川はパリ五輪世代の日本代表として活躍が期待される若手のホープだ。持ち前の技術に加えて「フィジカル面の強化」を目的に、いわきへ武者修行。キャンプでは状態不良で別調整が続いていた。「今の状態は7割くらい」と語る西川は「攻撃にテンポを生み出したり、ゴール前での違いをつくったりするプレーはもっと出していきたい」と意気込みを語った。(小磯佑輔)

 田村監督手応え「強度上がってきた」

 キャンプの全日程を終え、いわきの田村雄三監督は「けがなく終えられて良かった。だいぶプレー強度も上がってきた」と手応えを語った。

 J2山口との練習試合に勝利し「キャンプの集大成として勝てたことは良かった。選手の自信になったと思う」と振り返る。守備では2失点したセットプレーと、出方を変えてきた相手へのプレスのかけ方などを課題に挙げ、「選手がもっと状況に応じて判断できたらいい」と話した。

 攻撃では山口のハイプレスの裏をかけなかったことを課題に挙げた。「相手が前へ食いついたら逆サイドや背後を狙う方がシンプルだった」と反省し、「そういう状況を見たプレーは、実戦を重ねていく中で全員で同じ絵を描いていきたい」と述べた。