いわきFC、光る堅守 長崎と無得点ドロー

 
【長崎―いわき】後半、CKで相手と競り合ういわきのDF家泉(中央)=トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーJ2第29節ー。いわきFCは6日、アウェーのトランスコスモススタジアム長崎(長崎県諫早市)で、V・ファーレン長崎と対戦し、0―0で引き分けた。いわきの通算成績は8勝8分け13敗で、順位は22チーム中17位。

 いわきは前半、パスミスからカウンターを許す場面があったものの、守備陣の踏ん張りで無失点でしのいだ。後半に入ると、攻勢を強め8本のシュートを放ったが、決めきれなかった。

 いわきの次戦は13日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で6位ヴァンフォーレ甲府と対戦する。午後6時開始予定。

いわきFCの試合結果

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】互いに堅守をこじ開けることができず、無得点で引き分けた。いわきは前半、パスミスから何度かゴールを脅かされる場面が目立ったが、後半はボール支配をさらに高め、主導権を握った。いわきは終盤にカウンターで多くの決定機をつくったが、長崎の堅い守備に阻まれた。最終盤は長崎のカウンターから決定機をつくられたが、体を張った守備で失点を防いだ。(小磯佑輔)

 「相乗効果」後半は主導権

 いわきが守備で強みを発揮した。相手に合わせて守りの形を柔軟に変え、リズムに乗った。田村雄三監督は「反省はあるが、選手は最後まで足を止めず戦ってくれた」と評価。4バックで臨み、武器とする運動量との相乗効果で、後半にはいわきが完全にペースを握った。

 選手一人一人の成長も表れた。DF遠藤凌、DF家泉伶依の両センターバックは長崎のFWフアンマを徹底マーク。16得点でJ2得点ランキング首位タイの強力FWをシュート1本に抑え込んだ。「J1にいても遜色ない選手を相手を嫌がらせることができた」と遠藤。家泉も「頭を使って競り勝てた」と手応えを口にした。

 一方で、攻撃ではもどかしさが残った。相手を上回る11本のシュートを放ちながら、多くがゴール枠内をとらえられなかった。途中出場で決定機に絡んだFW谷村海那は「J2は最後の守りが堅い」とレベルの高さを再確認した様子だった。

 それでも前節に引き続き、上位チームとの接戦は大きな自信につながるはずだ。「(今季の)後半戦は組織的にチャンスをつくることができている。あと少しのずれをなくせば上位にも勝てる」。谷村は前向きに振り返った。(小磯佑輔)