いわきFC、悔しい1-1ドロー 甲府戦、前半に何度も決定機

 
【いわき―甲府】前半、相手GKと1対1の決定機でシュートを放ついわきのMF岩渕(左)。惜しくもゴールを決めることはできなかった=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第30節ー。いわきFCは13日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で6位ヴァンフォーレ甲府と対戦し、1―1で引き分けた。いわきの通算成績は8勝9分け13敗で、順位は22チーム中17位。

 いわきは前半から攻め込み、前半11分にMF山口大輝がフリーキックに合わせて先制した。その後は相手の攻撃に押され、前半44分に同点に追い付かれた。後半は果敢に攻め、幾度も決定機をつくったが決めきれなかった。

 いわきの次戦は19日、ホームのいわきグリーンフィールドで4位東京ヴェルディと対戦する。午後6時開始予定。

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 【評】いわきは何度も決定機をつくったが1得点にとどまり、勝利を逃した。前半からプレスをかけてボールを奪い主導権を握り、前半11分、FKにMF山口が合わせて先制した。その後はピッチを広く使った相手の攻撃に対し守りの時間が増え、前半44分に1点を返された。後半はボール支配を強め、PKを奪う場面もあったが決められず、攻撃のリズムをつかみきれなかった。(副島湧人)

 光った、控え陣の奮闘

 度々訪れた決定機で決められず、悔しい引き分け。それでも、新型コロナウイルス感染で主力を欠くという予期せぬ事態が生じていたいわきにとって、引き分けは最低限の結果と言えそうだ。MF岩渕弘人は「勝たないといけない試合だった。自分たちの力不足」と悔やみつつ、「このメンバーで勝ち点を取れたことは良かった」と前向きに語った。

 前半は特に、多くの決定機をつくった。果敢なプレスで相手のミスを誘い、相手ゴールががら空きになる場面もあった。MF山口大輝が先制した後、追加点を狙った岩渕だったが、相手GKとの1対1の好機に決められなかった。後半にはPKにも失敗し、岩渕にとって悔しさが際立つ試合となった。

 チームが追加点を奪えず苦しむ中で、光ったのは控え陣の奮闘だ。守備の要の家泉怜依と遠藤凌が新型コロナに感染し、この日代わって起用されたのは江川慶城(げんき)と黒宮渉。江川は3試合ぶりの先発、黒宮はJ初先発となった。

 2人は甲府のキーマンFWウタカにぴたりと寄せ、自由を与えず、役目をきっちりこなした。江川は「『いつも出てる2人がいなかったから崩れた』と言われるのは悔しい。黒宮と『頑張ろう』と話して臨んだ」と明かす。

 3戦未勝利の現状は喜べないが、この間控え選手の活躍で選手層は厚みを増し、戦術面でも進歩が見られている。「柔軟にシステムや戦い方を変化できている」と語った江川は、戒めるようにチームの現在地を見つめた。「少しでも後ろ向きにプレーしたら相手に一気にのみ込まれる。ミスしても、前を向くパワーが大切になる」(小磯佑輔)