いわきFC「積極守備」 東京Vと0-0で引き分け

 
【いわき―東京】前半34分、いわきのFW有馬にパスを出すMF下田。得点機をつくった =いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第31節ー。いわきFCは19日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で東京ヴェルディと対戦し、0―0で引き分けた。4戦連続で白星がないいわきの通算成績は8勝10分け13敗で、順位は暫定で22チーム中18位となった。

 前半は互いに縦に速い攻撃で相手ゴールに迫る展開。いわきはFW有馬幸太郎が決定機を決めきれず、両チーム無得点で折り返した。後半も一進一退の攻防を繰り広げたが、どちらも決め手を欠き、スコアレスドローに終わった。

 いわきの次戦は27日。アウェーのえがお健康スタジアム(熊本市)で17位ロアッソ熊本と対戦する。午後6時開始予定。

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【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】互いに相手の安定した守備を崩せず、引き分けに終わった。いわきは前半立ち上がり、3バックの脇を突かれてクロスからゴールを脅かされた。徐々にボールを保持する時間が増えたが、パスミスから度々カウンターを受けた。後半も同じような展開が繰り返された。終盤はカウンター攻撃の応酬となり、両チームとも最後の精度を欠いた。(小磯佑輔)

 中盤の要、下田存在感

 攻撃的な守備を貫いた。田村新体制下で5度目の完封試合。チームに新型コロナウイルスの感染が広がる中、価値ある勝ち点「1」をつかんだ。攻守に存在感を見せたMF下田栄祐は「負けなかった。上位相手に悪い結果ではない」と前向きだ。

 ピッチ幅をいっぱいに使って攻める東京Vの3トップに対して、強気な3バックをぶつけた。前半立ち上がりこそ攻め込まれたが、徐々に対応。前線からのプレスで相手の選択肢を少なくし、放り込まれるロングボールは3バックがはね返した。中盤がこぼれ球を拾えるようになると、カウンターで攻め込んだ。下田は「途中から中盤が前に出られるようになった。最低限のことはできた」と手応えを語る。

 チーム内で新型コロナ感染が広がったものの、主力への影響が大きくなかったことは不幸中の幸いだった。感染明けの主力も戻ってくることができたが、コンディションがいいとは言えず、ガス欠でピンチを招いた終盤は控え陣を起用してゴールを守った。「誰が出ても戦えるのがいわきの良さ。前節に続いて体現できた」。下田はチームを誇る。

 依然、攻撃面の課題は多い。この日は少なくとも決定機を3度逃し、攻撃の組み立てでもミスが散見された。それでも「FWだけのせいではない。ボールを奪われたシーンもあったが、さらなる積み上げのためにチャレンジしている」と下田。試合に負けず、選手が貪欲に学び続けているチームの状況は上向いていると言えるだろう。(小磯佑輔)