いわきFC、無得点で連敗 サッカーJ2、徳島の堅守崩せず2失点

 
【徳島―いわき】後半終了間際、決定機でシュートを放ついわきのMF岩渕(左)=鳴門ポカリスエットスタジアム

 サッカーJ2第34節ー。いわきFCは10日、アウェーの鳴門ポカリスエットスタジアムで徳島ヴォルティスに0―2で敗れ、田村雄三監督就任後初となる2連敗を喫した。通算成績は9勝10分け15敗で、順位は22チーム中18位のまま。いわきは前半23分、相手に右サイドからのクロスを許し、中央の選手にマークが外れた隙を突かれて先制された。後半は攻撃的な選手を投入してゴールに迫ったが得点を奪うことができず、逆に後半45分に追加点を奪われた。いわきは次戦の17日、アウェーの正田醤油スタジアム群馬(群馬県)で10位ザスパクサツ群馬と対戦する。午後7時開始予定。

いわきFC

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきは徳島の堅守を崩せず、零封負け。前半は前掛かりになりながらも決定的なシュートにつなげられず、前半23分に守備の隙を突かれて先制された。後半は前線の選手を入れ替え、攻撃に厚みを持たせたが、相手GKの好セーブに阻まれた。逆に後半45分、徳島にカウンターを許し、ファウルで止めてFKを献上。追加点を奪われ、試合を決められた。(佐藤智哉)

 残り8戦、豪雨被災地に勇気を

 いわきイレブンがこの一戦に懸けた思いは強く、ショックの大きい敗戦となった。出発前の8日夜、拠点とするいわき市を記録的な大雨が襲い、甚大な被害が生じた。自宅が停電し、避難を余儀なくされた選手もいたという。翌日、水害の爪痕を目の当たりにして敵地に向かったMF岩渕弘人は「いわきの人に勇気や元気を与えられるような試合にしたかった」と悔やむ。

 勝ち点で並ぶ徳島との対決。しかしいわきは、シュート数が5本にとどまるなどいいところは少なかった。前半はシュート2本。後半は「個の力のある選手を投入して、ゴールを狙いにいった」(田村雄三監督)と逆転に向け攻撃の活性化を図ったが、1点が遠かった。

 後半開始から出場した岩渕は早々にペナルティエリアの中央からフリーでシュートを放ったが、相手GKに阻まれた。さらに同18分には岩渕が素早いリスタートのCKを仕掛けて相手の意表を突いたが、FW吉沢柊のシュートはゴールポストに嫌われた。岩渕は「チャンスでも決められなかった」と、チームの課題となっている決定力不足を嘆くしかなかった。

 ただ、大雨で被害を受けた人たちのためにも下を向いたままでいるつもりはない。岩渕は「大変な思いをする人がいる中で、少しでも明るいニュースを届けたい」と語気を強める。今季残り8試合。被災した市民の姿を心に刻み、勝利をつかみにいく。(佐藤智哉)