宮本終盤に決勝弾 サッカーJ2、金沢に1ー0で勝利

 
【いわき―金沢】後半41分、決勝点を決めるいわきのDF宮本=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第36節ー。いわきFCは23日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で21位のツエーゲン金沢と対戦、1―0で逃げ切り、4試合ぶりの勝利を挙げた。いわきの通算成績は10勝10分け16敗で、順位は暫定で一つ上げ、22チーム中18位に浮上した。

 いわき市を中心とした豪雨被害後、初のホーム戦となったいわきは前半、果敢に攻め続けたものの無得点で折り返した。後半もCKからDF遠藤凌のヘディングがクロスバーをたたくなど、立ち上がりから好機を演出。その後も攻勢を強めて迎えた後半41分、DF宮本英治が左足を振り抜き先制すると、その1点を最後まで守り抜いた。

 いわきの次戦は10月1日、東京都の町田GIONスタジアムで首位FC町田ゼルビアと対戦する。午後2時開始予定。

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【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】終始攻め続けたいわきが決勝点をもぎ取った。試合は前後半を通じていわきペース。ボールを丁寧につないで相手を押し込み、金沢のカウンターに対してはDF陣が無難に守った。後半もCKなどから決定機をつくった。時間経過とともにオープンな展開となり、後半41分、右サイドを起点にゴール前に侵入すると、DF宮本が先制ゴールを決めた。
(小磯佑輔)

 連敗脱出、手応えつかむ

 「いわきの頭脳」が放った抑えの効いたシュートがゴール左隅に吸い込まれた。「僕はもう若手ではなく、チームの勝利を決定づけなければならない立場。『自分がやってやろう』と考えていた」。値千金の決勝ゴールを決めた入団3年目、25歳の宮本英治は晴れやかな笑顔で語った。

 後半41分、ペナルティーエリア手前の相手ゴール正面でラストパスをもらった。相手選手の寄せを受けていたが慌てず、歩幅を合わせて左足を振り抜いた。「今年は周りのスペースを把握しながらプレーできている」。得点の場面も「ボールを受ける前から外側にいる味方の選手まで見えていた。ゆとりを持ってプレーできた」と振り返る。

 これまでの試合と同様、この日もチームの戦術的な中心を担った。後半途中まで右サイドバックとしてプレーし、安定した攻撃の組み立てに貢献。特にこの日は、中盤が本職の山下優人と初めて両サイドバックを組んだ試合だった。宮本は「今までにない形でボールを動かしたが、良かったと思う」と手応えをつかんだ様子だ。

 これで連敗脱出。攻めの姿勢へのこだわりが実を結んだことは大きな収穫だが、宮本はセットプレーで課題があったと考えている。「不用意なファールがあり、相手の流れを切れなかった。ちょっとした甘さがあった」。攻守に隙のなさが際立つ町田との次戦を前に、チームは気を引き締める。(小磯佑輔)