いわきFC、再び清水に大敗 真っ向勝負も技量差くっきり

 
【いわき―清水】前半32分、清水のDF原〈70〉に3ゴール目を許し、ぼうぜんとするいわきイレブン=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2第39節ー。いわきFCは21日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市、いわきグリーンフィールド)で清水エスパルスと対戦し、1―7で敗れた。

 勝てば、降格圏チームの勝敗次第でJ2残留が決まる可能性があったが、敗れたため残留決定は次節以降に持ち越しとなった。いわきの通算成績は11勝11分け17敗。順位は動かず、暫定で22チーム中17位。

 いわきは前半11分に先制を許すと立て続けに2失点した。同41分にFW谷村海那の得点で1点を返したが、後半の4失点で大差をつけられた。

 いわきの次戦は29日。アウェーのフクダ電子アリーナ(千葉市)で5位のジェフユナイテッド千葉と戦う。午後2時開始予定。

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【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきは攻撃的な姿勢を貫いたが、清水に実力差を見せつけられた。守備陣の交錯から先制点を献上すると、右サイドを崩され2失点目。3失点目はCKのクリアミスを押し込まれた。前半41分にカウンターで1点を返して食い下がり、後半もショートパス主体で崩しにかかったが、中盤でのパスミスを見逃さなかった清水がカウンターで次々と得点を重ねた。(小磯佑輔)

 田村監督、攻撃的なサッカーこだわる

 雪辱は果たせなかった。清水相手に真っ向から攻め続けた結果、大量9失点を喫した前回対戦に続く大敗となった。「引いて守り、セットプレーから1点を狙う戦いをすれば試合の形になったかも知れない。でも、それをやった先には何もないと思う。守る戦いをするなら(監督は)僕でなくて良い」。田村雄三監督は試合後、いわきらしい攻撃的なサッカーにこだわったことを明かした。

 失点の多くがカウンターからだった。中盤でのパスミスや、敵陣で1対1で競り負けたところを起点に、上手さと速さを兼ね備えた清水に次々とゴールを割られた。

 浮き彫りになったのは、相手との技量の差だ。宮本英治は語る。「(パスの出し先が)10センチ違うだけで取られないこともある。細かいところだが、そういうところを突き詰めないとJ1に行くようなチームには勝てない」

 ただ、成長も見せた。前回対戦で4本にとどまったシュートはこの日は9本。敵陣に押し込む時間もつくった。清水の秋葉忠宏監督と乾貴士は「点差ほど簡単なゲームではなかった」と試合を振り返っている。

 リーグ戦は大詰めを迎えており、下を向いている時間はない。「この結果をどう成長の材料にするかが問われている」と田村監督。宮本も「悲観せず、自信を失わず、残り3試合を戦いたい」と決意を口にした。(小磯佑輔)

 意地の谷村弾

 いわきのFW谷村海那が反撃のゴールを決めた。前半32分、清水に早くも3点目を決められ、スタジアムが重苦しいムードに包まれたその9分後のことだった。

 FW有田稜から受けたパスをドリブルで運び、右足を振り抜いた。1点を返し嫌な流れを断ち切ったかに見えたが、結局この後、追加点は奪えなかった。谷村は「1点ずつ返していこうと思ったが、その後が続かなかった」と下を向いた。

 ミスが失点につながり、攻撃時には好機をものにできなかったいわき。「完敗です。残り3試合を勝ってJ2残留を目指す」。谷村は敗戦の悔しさをぐっとのみ込んだ。