いわきFC、J2初年度は18位 最終戦、藤枝に4-2で勝利

 
【藤枝―いわき】後半7分、2点目のゴールを決めるいわきのFW近藤(右)=藤枝総合運動公園サッカー場

 サッカーJ2第42節(最終節)ー。いわきFCは12日、アウェーの藤枝総合運動公園サッカー場で藤枝MYFCとリーグ最終戦を戦い、4―2で勝利した。いわきの最終成績は12勝11分け19敗。順位は一つ上げ、22チーム中18位で終了した。

いわきFC試合結果

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】相手に退場者が出て数的優位に立ったいわきが4得点で快勝した。前半13分にFW近藤のゴールで先制し、同40分に相手選手が一発退場となった。陣形が整わず浮足立つ相手の隙を突いて、後半7分には近藤が2点目。その後、PKを献上して失点し、流れが相手に傾きかけたが、MF山口のゴールで再び引き戻し、直後にMF永井も追加点を挙げてリードを広げた。(佐藤智哉)

 近藤2得点、猛攻けん引

 若手の活躍が、チームの来季の飛躍を予感させた。いわきのFW近藤慶一が2ゴールを決め最終戦の勝利に貢献。「まだまだ改善すべきところはあるが、今できることはしっかりできたと思う」。21歳の現役大学生は手応えを口にした。

 1点目は前半13分。自身のポストプレーを起点に素早いサイド攻撃が展開され、最後はMF加瀬直輝からのクロスに飛び込み、頭で合わせた。体の強さを生かしてゴール前でクロスに合わせるよう、田村雄三監督から求められていたといい、「狙い通りだった」と語る。

 2点目は後半7分。敵陣で横パスをかっさらったMF山口大輝に並走し、相手GKと2対1に。山口からの完璧なお膳立てを受け、無人のシュートコースへボールを流し込んだ。

 正式加入は来季から。今季はいわきと名古屋学院大を行き来してプレーした。いわきではリーグ戦後半、けがから復帰したFW有馬幸太郎らと入れ替わるように出場から遠ざかっており、この日は8月19日の東京V戦以来の出場で、得点は4月8日の大分戦以来となった。

 来季の目標は「今季の3得点よりも多くのゴールを挙げること」。その上で攻守両面での味方との連動性を課題にあげた。「運動量やタイミングは重要。攻撃では味方とつながること、守備では奪いどころを明確にする動きをしたい」。来季のさらなる活躍に向けて、オフシーズンでの成長を誓った。(小磯佑輔)

 苦しい時間帯、山口3点目

 目の覚めるような一撃で勝利をたぐり寄せた。後半に1点を返され、10人で戦う相手に押し込まれた時間帯にチーム3点目を奪ったいわきのMF山口大輝は「自分のゴールでうちに流れを持ってこられた」と満足そうにうなずいた。

 一瞬の好判断だった。前線からプレスを仕掛ける中で相手のパスコースを読んで、ペナルティーエリア前でパスカット。すぐさまフリーの味方にボールをつなぐこともできたが「いい感じにゴールが見えて、シュートを打たない選択肢はなかった」。右足を振り抜いて、ゴール左上に突き刺した。

 「サポーターのためにも最終節で何が何でも勝ちたかった」。ゴール後、サポーターのいるスタンドに駆け寄った山口は、両手を広げて心地よく歓声を受け止めた。

いわきFC成績