開幕戦独特の雰囲気にのみ込まれ、果敢にボールに食らい付く「らしさ」はいまひとつだった。２４日に行われたサッカーＪ２で、アウェーのケーズデンキスタジアム水戸（水戸市）で水戸ホーリーホックと対戦し、惜敗したいわきＦＣ。相手にペースを握られ、サポーターに勝利を届けることができなかったが、選手は「ホーム開幕戦では必ず勝利を届けたい」と次節での勝利を誓った。

　「試合前のミーティングが終わった後、顔ががっちがちだった」。開幕戦を前にした選手の様子を田村雄三監督はこう語った。「だから笑えと言ったが笑ってくれなかった」と話す。この日ゲームキャプテンを務めたＭＦ山口大輝も「いつもより空元気な感じだった」と振り返った。

　試合では素早く攻め上がるなどの持ち味を発揮できた場面もあったが、相手に押され、連係ミスから決勝点となるＰＫを献上した。悪い流れを変えられず、山口は「しっかりチームをまとめる役を担おうとしたが俯瞰（ふかん）して見ることができなかった」と反省しきりだった。

　田村監督は「開幕戦は普段は見えるものが見えなくなるので緊張は仕方ない。自分も選手の時はそうだった」と選手たちをおもんぱかった。

　次節のホーム開幕戦に向け「もっと違う雰囲気だし声も通らない。それを分かった上でしっかり準備していきたい」と指揮官。山口は「きょうの課題をしっかり共有して力を全部出し切りたい」と２年目のＪ２初勝利に向けて、覚悟をにじませた。